「東京モーターショー」(11月6日まで、幕張メッセ)で、ドライバーの顔の向きと安全装置を連動させるシステムが複数出品されている。運転中の顔の向きをカメラで検知。わき見が多ければ警告を発し、不注意運転による事故を未然に防止する。
デンソーの顔認識システムは、ハンドルの奥に搭載したカメラでドライバーの顔の角度やまぶたの閉じ具合を検知。居眠り運転やわき見運転を見付けると、警告音を発したり、首の部分に取り付けたエアコンから冷風を流してドライバーに注意を促す。
ハンドルには電極を搭載。握るだけでドライバーの心拍数を計測でき、カーナビ画面に表示したり、外部にデータを転送できる。
システムを利用するには、あらかじめドライバーの顔を登録しておく必要がある。複数のドライバーを登録でき、ドライバーごとにシートの位置やエアコンの温度などを設定・保存しておける。
カメラを使った顔認識システムと外部センサーを組み合わせ、わき見運転中に危険が迫った場合にシートベルトを巻き取るシステムを、東海理化が開発した。わき見の程度と外部の障害物、車間距離などを総合的に判断して、危険と判断した場合のみシートベルトをぎゅっと締める。
カメラはバックミラー内に設置。「ハンドルの奥などに設置すれば、運転する手が邪魔になって顔を認識できない場合がありそうだが、バックミラーならその心配もない」(説明員)。デンソーと同様、ドライバーの顔を登録し、ドライバーごとにシートの位置などを設定しておける。
オムロンは、顔画像の登録なしで、顔の向きを検知できるシステムを開発した。カメラ画像から顔の角度を判定し、わき見運転を見つけると警告音声を発する。
3社とも数年内の実用化を目指してるが、危険運転の判定基準に苦慮しているもようだ。「あまり頻繁に警告するとかえって運転の邪魔。どこからが危険と判定するかが難しい」(オムロンの説明員)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR