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東芝、LED光源の小型プロジェクターを参考出展WPC EXPO 2005

» 2005年10月26日 18時13分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 東芝は、「WPC EXPO 2005」にモバイル用の小型フロントプロジェクターを出展している。本体サイズは136×55×100ミリと手のひらサイズで重量は約500グラム。2時間駆動が可能なバッテリーを取り付け800グラム程度という。そして光源には、RGB-LEDを使用している。

photo 少人数のプレゼンテーションなどに便利な卓上プロジェクター。コントラスト比は1500:1。本体には0.5ワットのスピーカーも内蔵している
phto 背面のバッテリーで駆動中。入力端子は側面にあり、USBポートも装備。USBメモリ内のJPEG画像を再生している

 試作品は、0.55インチ、800×600ピクセルのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)チップを搭載。2.2メートルの距離で最大60インチまでの画面に投影可能だ。PC接続用のRGB端子とコンポジットビデオ、USB端子を備えており、USBメモリなどに記録したJPEG画像も再生できる。

 主にビジネス用途を想定しており、折り畳み式の23インチ高輝度スクリーンと専用キャリングバッグをセットにして10万円程度で販売するという。発売は来年1月の予定だ。

photo 製品に付属する23インチ高輝度スクリーンと専用キャリングバッグ。スクリーンは折り畳み式で、畳むと「A3弱サイズ」になる

LEDを光源にすると?

 一般的なフロントプロジェクターは、光源に水銀ランプを使用しているが、十分な光量を得られる反面、高電圧/高電流が必要になる。寿命の短さや発熱も課題だ。これに対し、LED光源は大電流が必要ないため、試作機のようにバッテリー駆動が可能。しかも1万時間程度の寿命を確保できるという。「水銀ランプと違って光源を交換できないが、製品寿命に見合った光源寿命を実現できる。また発熱が少なく、ファンノイズが抑えられる点もLEDのメリット。試作機はモーター音が聞こえるが、製品では(動作音は)30dB程度以下におさえたい」(同社)。

 ただし、明るさに関しては水銀ランプの「100分の1程度」になってしまうのがネックだ。試作品のスペックを見ると、11インチの画面に投影した場合で約400ルーメン。同梱される23インチ高輝度スクリーンとの組み合わせなら実用的な輝度を確保できるものの、ホームシアター用途に使えるレベルではない。

 海外メーカーの中には家庭向けプロジェクターにLED光源の導入を検討しているところもあるというが、東芝では当面ビジネス向けモバイルプロジェクターに的を絞る方針だ。

 「ホームシアター用途では、1000ルーメン程度か、それ以上の明るさが求められる。もちろん開発が進めば実現できると考えているが、LEDランプの開発ロードマップを考えると、まだ少し先の話になりそう」(同社)。

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