NTTドコモが出展を控えるなどし、出展社数が減った今年のWPC EXPOだが、自動車メーカーやテレビ局などIT業界の以外からの新規参入が目立った。あらゆるハードやコンテンツがネットにつながりつつある現状が反映されているといえそうだ。
「車というメディアは、さまざまなコンテンツをつなぐことができる」――初出展の日産自動車は、エフエム東京と協力して構築中の、デジタルラジオを使った新サービスをデモ。カーナビをハブにして、さまざまなサービスを連携させられると説明員は説く。
例えば、カーナビから、ラジオで放送中の音楽コンテンツを、ボタンひとつで購入できたり、ラジオで紹介している飲食店までのルートを検索をしてくれたり――といったサービスが可能だ。
実用化に向けての大きな課題が、ラジオ局が提供するデータと自動車の操作系との対応だ。車内の操作系は自動車会社ごとに異なるといい、例えば、日産はハンドルの左側にカーナビなどの操作ボタンを配置。トヨタ自動車はタッチパネルを利用しているという。コンテンツには、操作系に関わらずに利用できる汎用性が求められるといい、現在、放送局やカーナビメーカーなどと共同で規格を検討中だ。
「これまで楽器に触れたことがなかった人にも興味を持ってもらいたい」――ヤマハは、ネット接続に対応した電子ピアノ「クラビノーバ」などを展示。「楽器専門店は、初心者には敷居が高い」と説明員は話し、ネットと融合して便利になった楽器をWPCのようなイベントで試してもらい、楽器の楽しさを知ってほしいと狙いを語る。
クラビノーバのネット対応機は、楽譜や音楽データをネット経由でダウンロードできる。この機能を応用してWPCでは、ネット接続した電子ピアノと電子トランペットを遠隔地同士でセッションするというデモを実施していた。
ただ、実用化はまだ先になりそう。現在の家庭用のブロードバンドでは、通信に遅れが出るためうまくセッションできないという。
同社はWPC EXPOには以前、作曲関連システムなどを出展したことがあったが、ここ数年は出展を控えていたという。ネット関連製品での出展は初。
東京放送(TBS)や日本テレビ放送網も、番組のVODサービスをPRする小さなブースを出展している(関連記事参照)。
TBSはWPC初出展。説明員は「楽天との問題については来場者によく聞かれる。しかし私たちはずっと以前から『BooBoBOX』を企画していた」と、同社独自でネット対応を進めてきたことをアピールしていた。
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