アイ・オー・データ機器が、同社ブランドとしては初めての液晶テレビ「FTV-320H」を発売する。テレビチューナー付の液晶ディスプレイや、PC周辺機器のサブブランドである「挑戦者」では液晶テレビを販売したことがあるが、純然たる液晶テレビを発売するのがこれが初めてだ。
デザインは“液晶テレビ”そのもので、シルバーを基調にフレーム部はブラックのカラーリング。パネル下部に「IOデータ」というロゴを見なければ、家電メーカーの製品ではないとは思わないだろう。下部にスピーカーを備えているため、高さは644ミリと少し高めの部類だが、32インチクラスとしては特別に大きいというわけではない。なお、スタンドと本体部は完全に固定されており、上下左右ともにスイングさせることはできない。
スペックをおさらいしておくと、液晶パネルは32インチのワイドアスペクトで、1366×768ピクセルのHD対応。最大輝度は500カンデラ、コントラストは800:1、視野角は上下左右170度と十分に広い。応答速度は12msとしており、スペック的に大手家電メーカーの製品に特に見劣りする部分はない。また液晶パネルは国産としているが、実際のところ国内で大型液晶パネルを製造しているメーカーはそう多くはなく、IPS系パネルの特徴をうたっていない点や、視野角やパネルサイズなどを考慮すると、シャープ製パネルと思われる。
チューナーは、地上波アナログのみを内蔵する。製品発表会の記事でも触れているが、必要な機能を低価格で提供するコンポーネント指向の製品と位置づけられており、デジタルチューナーは搭載しない。同時に、BS/CS/地上波の3メディア対応、i.Link端子装備のデジタルチューナー「HKV-KD300」も発表しており、Rec-POTシリーズと合わせて手軽にハイビジョン視聴&録画環境を構築できる。「HKV-KD300」は、「Tナビ」対応、リモコンデザインなどから松下電器産業のOEMとみられるが、同社では今後、自社設計の製品も投入すると発表会の場で述べている。
AV入出力は豊富だ。HDMIを1系統、D端子(D4対応)+音声入力を2系統、AV入力を3系統、アナログRGB+音声入力を1系統備える。実質的にHD入力が3系統確保されていることになり、デジタルチューナーを備えていない分を差し引いても必要十分といったところだろうか。
S入力は、側面のAV入力端子にあり、しかも1系統しかない。スパッと割り切った仕様だが、最近のAV機器の場合はD出力(もしくはコンポーネント出力)を備えているか、低価格なVHSデッキのようにS端子も備えていないかのどちらかになりつつあるので、不便な仕様とまでは思わない。音声のデジタル入力も省略されているが、これもテレビ側に必須の機能とはいえないだろう。なお、音声出力も1系統備える。
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