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3.8型液晶の美しさと80Gバイトの安心感――携帯型ストレージビューワ「P-4000」レビュー(3/4 ページ)

» 2005年11月09日 08時43分 公開
[永山昌克,ITmedia]

3.8型低温ポリシリコンTFTによる高精細な表示

 取り込んだ画像を見るには、ホーム画面から「保存データ」を選ぶ。すると、取り込んだ日付と取り込みの回数別にフォルダが自動作成されていて、そのフォルダのサムネイルが表示される。

photo 「保存データ」のサムネイル画面。サムネイルの別の画像に変更もできる。また、設定メニューから表示方法を「メモリカードごと」から「保存日ごと」に変更すれば、同じ日に保存したデータをひとつのサムネイルにまとめて表示できる
photo 任意のフォルダを指定してOKを押すと、12コマごとのサムネイルとして中身を一覧できる。この状態でMenuボタンを押せば、アルバムへの登録、画像のプロテクト、スライドショーの開始、印刷予約、削除(1枚、全画像、選択画像)などを選べる
photo サムネイルを選んでOKを押すと、1枚の全画面表示となる。対応する画像データは、Exif情報のあるJPEGとRAW。ただし、RAWデータは簡易表示となるため、拡大表示や回転、スライドショー、印刷などには対応しない。TIFFは、エプソン製スキャナ「F-3200」で保存した画像のみ一覧表示できる
photo 全画面表示でDisplayボタンを1回押すと、ファイル名、機種名、撮影日時、焦点距離、ISO感度、F値、シャッター速度などの主要なExif情報を確認でき、もう1回押すとヒストグラムが表示
photo 全画面表示でOKボタンを押すと、最大で約16倍までの拡大表示となり、十字キーでスクロールができる。Cancelボタンを長押しすれば、全画面表示にもどる

 表示のクオリティは、精細感が高く、画像の細部まではっきりと見える。コントラストはやや強めで、黒が引き締まった見栄え重視の傾向だ。だが、発色に目立ったクセはなく、観賞用だけでなく、画像のチェック用途にも十分に生かせる。デジカメの小さな背面液晶でチェックするよりも、よっぽど見やすい。

 ただし、表示スピードについては、デジカメよりも遅い。全画面表示の状態で十字キーの右を押すと、画面中央に砂時計のアイコンが現れ、次の画像が表示されるまでには、数秒間待たされる。その秒数は画像やファイル容量によってばらつきがあるが、800万画素のオリンパス「E-500」のJPEG最高画質の画像で計測した場合、1枚のコマ送りにかかった時間は4〜6秒程度。メーカー公称値の約4.5秒とほぼ同じ値だった。

 一方、1280万画素のキヤノン「EOS 5D」のJPEG最高画質の画像では、1コマ送りに10〜13秒程度もかかった。これだとかなりをストレスを感じる。1コマずつ見るよりも、12コマのサムネイル表示を利用し、サムネイル表示と全画面表示を交互に切り替えながら見るのが現実的だろう。サムネイルの1画面12コマのすべてが表示するまでの時間は、やはりファイル容量による差は大きいが、5〜12秒程度だ。

 液晶の美しさは非常に魅力的だが、コマ送りやサムネイル表示、拡大表示などのレスポンスはもう少しスピードアップしてほしいものだ。また細かいことだが、拡大表示の状態でコマ送りができれば、なおいいと思う。

 スライドショー再生については、実際にやってみたら思いのほか楽しめた。画面切り替えの効果は、フェードやカーテン、ブレンドなどの5タイプを選択でき、切り替えの間隔は3秒から30分の間で設定できる。BGMは、あらかじめ内蔵された5曲、または自分で取り込んだ3曲から選べる。特に気に入ったのは、画面が移動しながら、次の画面へとオーバーラップして切り替わるブレンド効果。これにBGMを加えて再生すれば、つまらない写真でもカッコよく見える。写真の腕が上達したように錯覚するくらいだ。

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