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音質重視派への選択肢――ビクター「XA-HD500」レビュー(2/3 ページ)

» 2005年11月09日 20時15分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 再生可能なファイル形式はMP3とWMA。Windows DRMにも対応する。PCからのファイル転送については、ドラッグ&ドロップのほかWindows Media Player10が利用できる。楽曲転送が完了した状態で、再生/停止ボタンを長押しするとトップメニューが現れ、アーティスト/アルバム/プレイリスト/ジャンルなどから楽曲を選択できる。メニューはアイコンを使用した視認性の高いもので、初めて使う場合でも迷い無く操作できる。

photo トップメニュー

 再生中は十字キーの上下で音量調節、左右で早送り/早戻し、中央ボタンで画面表示の切りかえが行える。中央ボタンを押すと、時計(アナログ表示)――時計(デジタル表示)――再生画面と画面が切り替わる。

photo 再生画面

 音質について多彩な設定が行えるのが最大の特徴。「トップメニュー」から「設定」――「サウンドモード」を選択すると、イコライザーやトレイン(“シャカシャカ”音を抑える電車モード)、デジタルAHB(低音ブースト)などと並んで、「CCコンバーター」「E.サラウンド」などの項目が用意されている。

photo 「サウンドモード」の設定項目

 注目すべきは「CCコンバーター」。同社はデジタル高音質化技術「K2」や同技術を圧縮音源向けに改良した「net K2」などを開発/実用化するなどデジタル音源の高音質化に積極的に取り組んでおり、これらを元に開発されたのがCCコンバーターだ。CCコンバーターは圧縮音源が圧縮時に失ってしまった情報を再生時に補完することによって、より元のソースに近い音質を再現するという。

 本製品はこのCCコンバーターをソフトウェアとして実装しており、ソースのファイル形式やビットレートを問わずにワンボタンでオン/オフが行える。実際にいくつかの楽曲でオン/オフを繰り返して効き具合をチェックしてみたところ、確かに中域から高域にかけての伸びとヌケに違いがあることが認識できた。

 違いがあるといっても、イコライザーでブーストしたような意図的な違いではなく、オフにすると音の厚みが無くなるので認識できるという程度の違いだ。これならば常時オンにしておいてイヤラシさは感じないはずだ。

 E.サラウンドには「エナジー」「クリスタル」「ハートフル」「サブウェイ」と名付けられた4つのセッティングが用意されている。それぞれの効果は文字通りで、エナジーならばボーカルの中域が前面に押し出され、クリスタルならばハイハットを刻む音やスチール弦をつま弾く音がより強調される。どれもユニークなのだが、効きがかなり強力なので、常時オンにしておくというより、曲や気分によって使い分ける方がいいだろう。

photo イコライザーはユーザー設定も可能。作成したイコライジングパターンは5つまで保存しておくことができる。

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