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音質重視派への選択肢――ビクター「XA-HD500」レビュー(3/3 ページ)

» 2005年11月09日 20時15分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 操作していて重宝したのが、ファンクションキーを利用した機能呼び出し。CCコンバーターやE.サウンドを割り当てておけばワンボタンで音質調整が行えるほか、トップメニューの呼び出しを割り当てておけば、いつでもトップメニューに戻れるので選曲も容易に行える。

 ファンクションキーにはランダム再生の開始やHDDの残り容量確認などを割り当てることもできるのだが、使用してみた限りでは「トップメニュー呼び出し」と「サウンドモード呼び出し」を割り当てた状態が一番便利に扱えた。ちなみに、ファンクションキーは再生画面が表示されている状態だと割り当てた機能が有効になり、それ以外の状態では再生画面へ戻るキーとして機能する。

付属品も充実、音質重視のユーザーはトライする価値あり

 パッケージには充電およびPCとの同期が行えるクレードルと、ワイヤレスリモコンも付属する。クレードルはそう珍しくないが、ワイヤレスリモコンが標準添付されるポータブルオーディオプレーヤーは少ない。リモコンは電源オン/オフを含めた本体のフル操作が可能で、ファンクションキーを利用した機能呼び出しも行える。

photo クレードルとリモコン。シルバーモデルにはシルバーのリモコンが付属する
photo リモコンの到達距離は結構長く、3メートルほど離れても操作が行えた

 少しおもしろいのが、文字の拡大機能。ACアダプタを接続したクレードルに本製品をセットし、楽曲の再生を開始すると液晶画面上の文字が2倍に拡大されるのだ。クレードルにはアナログ出力も用意されているので、リビングなどのオーディオに本製品を接続した状態(利用者との距離が離れた状態)でも便利に使えるようにとの配慮だと思われる。

photo 通電したクレードルに本製品をセットして再生すると“デカ文字”に

 本製品の実売想定価格は4万5000円前後。“6GバイトのHDDを搭載したポータブルオーディオプレーヤー”と考えると割高感は否めない。しかし、付属品を含めた本体のクオリティも高いほか(ヘッドフォンもHP-FX55と思われるものが付属している)、CCコンバーターをはじめとした高音質化機能も想像していた以上の効果をもたらしてくれる。

 ポータブルオーディオプレーヤーという製品を評価する際には、どうしても価格容量比という要素を外すことはできない。しかし、市場が成熟してくるに従ってユーザーもデザインや機能性など、価格容量比以外の要素を重視するようになっている。音質についても、これからさらに重視される要素といえるだろう。

 本製品は“多少高価になっても音質に可能な限りこだわる”というアプローチで作られており、視聴することなしにその価値を判断することは難しい。しかし、圧縮音源を利用するポータブルオーディオでも音質にこだわりたいというユーザーにとっては、検討に値する製品であるといえる。

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