食欲の秋というわけで、秋といえば食べ物を撮りたい季節。本格的にライティングをしてきれいな食器にきれいに盛りつけをして雑誌に掲載されているような写真を撮る、というのもいいけれども、そこまで凝った撮影をする人もそうはいないだろう。
もっと気軽に、自宅で「あ、きれいに作れたから撮っておきたい」、お店で「おいしそうだから撮っておきたい」と思ったとき、手軽にきれいに撮ろうという話だ。
では実例を交えつついってみよう。
まず重要なのは「明るさ」。室内で撮るときはいつも問題になるのだが、たいていの室内は暗いもの。オートにしておくと自動的にフラッシュが焚かれてしまうくらいには暗い。じゃあフラッシュを使うとどうなるか。
まずはトマトとモッツァレラチーズのサラダだ。
フラッシュは手前から強い光を当てるものなので、明るく写るけれども、手前と奥で明るさが変わってしまうし、遠いところは暗くなってしまう。でも部屋の照明で撮ると全体に自然な感じで撮れる。ただし、部屋が暗いと手ブレしやすくなる。
続いて鰻丼屋さんの「きも焼き」である。これは美味でした。でもお店が暗いので、オートで撮って「1/4秒」。これはもう確実に手ブレするシャッタースピードだ。2枚目は実は机にヒジをついて、カメラができるだけ動かないようがんばって撮影した。料理が冷めないよう手早く、でも手ブレしているとイヤだから、できるだけカメラを固定して何枚も撮っておこう。1枚でもブレてないのがあれば上出来。
それでも1/4秒で撮るのは慣れないとキツイ。そういうときはISO感度を上げて撮影しよう。どのデジカメでもISO感度の設定はあるはずだ。
例えばIXYシリーズだとISO50→100→200→400と4段階でISO感度を設定できる。ISO感度を2倍に上げるとシャッタースピードが1/2になる。ISO50だと1/4秒でも(サラダの2枚目の作例は、蛍光灯を使った明るめの普通の室内で撮影)、ISO100だと1/8秒、ISO200だと1/15秒となるのだ。コンパクトデジカメだと一部の高感度対応機を除くと、料理を撮るなら画質低下が目立たないISO200以下にしたいところ。1/15秒ならヒジをついて慎重にとればなんとかなるスピードだ。
ちなみに「きも焼き」の写真はISO200で1/4秒だった。
続いて重要なのはピント。離れたところから料理全体を撮ろう、というときはいいけれども、近寄ってテーブルで撮るときはマクロモードにすること。カメラによって違いはあるが、だいたい、手を伸ばして届くような距離は全部マクロモードだ。
でもマクロモードで近寄れる距離はカメラによって違うので注意。
これは「しゃこ」の写真。東京だと、しゃこといえばお寿司のネタで頭は取り外された状態でしかみないと思うけど、瀬戸内の海ではしゃこは日常食。こんな感じで頭がついたままゆでられたしゃこをばくばく食べるのである。しゃこの顔を見るのなんてめずらしいので正面から撮ってみたが、こういう写真はマクロモードが強力なデジカメじゃないと難しい。
特にマクロモード時はピントの合う範囲が狭くなるので、撮ったらすぐ再生モードで拡大表示して確認したい。また、距離が離れるとその分背景が写りやすくなるのでそこも注意しよう。
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