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光学式+高感度で“ブレ知らず”――サイバーショット「DSC-T9」レビュー(2/4 ページ)

» 2005年11月15日 15時12分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 CCDは1/2.5インチの600万画素。ソニーはT9のCMで「手ブレ補正+高感度」をうたっているが、撮像素子自体は特に高感度仕様ではなく普通のCCD。内部の処理によってノイズ低減処理を行い、高感度を実現しているという意味だ。カメラ内部でRAWデータの段階でまずノイズ低減処理を行い、そのあとで画像処理を行うように改良したのだという。

 それでISO感度は最高ISO640。CCD自体は普通のものなので、富士写真フイルムのFinePixに比べると「やや高感度」というレベルだが(例えば、「FinePix Z2」の方がISO400時の画質劣化は少ない)、前モデルのT5などと比べるとノイズはうまく処理してあり、高感度時のクオリティは上がっている。一般の1/2.5インチCCD搭載デジカメに比べれば高感度なのは確かだ。

ISO感度はオートのほか、この5つを選べる。最高ISO640にまでなった

 わたしは最高感度より、ISOオート時の振る舞いが変わったことに注目したい。T9では高感度をうたうだけあり、ISOオート時の感度の上がり方が変わった。いわゆる手ブレ限界(38ミリなら1/38秒あたり)を中心に、ISO感度が早めに1/3段刻みで上がっていくのだ。最高はISO320。

 つまりISOオートにしておけば、ISO320まではそこそこのシャッタースピードを維持しながら上がっていくのである。これはスナップ用としてフルオートで使うことが多いコンパクト機には非常にありがたい。気が付いたら日陰で暗かった、日が暮れてきて暗くなってたのに気づかなくてブレてたってこともない。

 この2点以外の撮影機能は従来のサイバーショットTと同等だ。シーンモードは特に増えてないし、ホワイトバランスはオートのほかはプリセットされた環境光があるだけでカスタム設定はできないし、彩度・コントラスト・シャープネスは多少調整できる。

 つまりフルオート時の振る舞いが大きく変わり、以前よりブレを気にしなくて良くなったのが一番なのだ。

クオリティが大きく上がった液晶パネル

 T9にはもうひとつ進化した点がある。それは液晶パネル。

再生モードの背面。2.5インチの液晶パネルはクオリティが上がり、かなり見やすくなった。右下にスライドショーボタンが新設されている

 2.5インチで23万画素なのは変わらないが、低反射型の「クリアフォト液晶プラス」になり、絵がきれいになった。コントラストと色再現性が向上したとうたっているが、実際にT5と見比べてみると、T9の方が彩度が高くて色豊かに表現される。これはいい。低反射型なので屋外でも比較的見やすく、さらに見た目がきれいになったのは魅力的だ。

 視野角が広いのも良い。他社のモデルに比べて上下の視野角が広いため、ちょっとハイアングル・ちょっとローアングルで撮るときもカメラの位置を変えるだけでモニターを見ながら撮れる。これは良い点だ。

撮影時の画面。リアルタイムヒストグラムも可能。ディスプレイボタンを押すとさらに画面を明るくすることができる。十字キーはちょっと出っ張っていて押しやすい。バッテリーの残りが時間で表示されるのはソニーならでは

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