NTTコミュニケーションズは11月17日、指の脈波の「ゆらぎ」を測定し、感情の動きや精神状態を判定する「スピリチュアル・ハーモニー」の試作機を開発したと発表した。心理テストや相性診断といったサービスや、ユーザーの精神状態に最適な商品を自動で選ぶ仕組み作りなどに応用する。
システムは、関西学院大学大学院の雄山真弓教授と共同開発した。指の脈波を、PCにUSB接続した専用装置で30秒間測定し、ゆらぎの程度を12段階で測定。環境変化への適応力やコミュニケーション能力などを判定する。
心理テストや相性診断のほか、PCと接続して使う香り発生装置「アロマジュール」と連携させ、心の動きに合った香りを発生させたり、音楽配信やECサイトと連動し、深層心理が欲している音楽や商品をユーザーに紹介する――といった活用法も視野に入れる。早ければ今年度中にも商品化する計画だ。
同社は同日、「アロマジュール」の香りの調合レシピをダウンロードできるWebサイト「香り通信ポータル」を公開した。
アロマジュールは、USB接続の香り発生装置(関連記事参照)。6種類のアロマオイルをセットし、PCからオイルの配合レシピを入力すると、各オイルを調合して香りを発生させる仕組みだ。
ポータルのコンテンツ第1弾は、ギャル社長こと藤田志穂(sifow)さん(関連記事参照)が調合した香りの紹介。今後は、ユーザー個人が香りレシピを登録・アップロードできる機能を追加し、ユーザー同士がコミュニケーションできる場にする。
アロマジュールは7万3500円(税込み)と高価だが、今後は廉価版も開発し、普及をはかる計画だ。
藤田さんは「テレビができなかったこと(香りの伝達)がネットでできるのはすごい。これまでネットに興味がなかった人が、興味を持つきっかけになるのでは」などと話した。
法人向けには、オフィスで仕事がはかどる香りを発生させたり、店舗で食品のおいしそうな香りを演出する、といった香りのプロデュースサービスや、企業のイメージに合わせた香りレシピを企業サイト上に掲載する試みも始める。
同社コンシューマー&オフィス事業部営業推進部の濱田俊一IP販売推進担当課長代理は、ITの発達で失われたといわれている、人と人とのコミュニケーションや、五感を使って情緒に訴える仕組みを構築し、ISP「OCN」の付加価値としてアピールしていきたいとした。
スピリチュアル・ハーモニーとアロマジュールはそれぞれ、「NTT Communications Forum 2005」(11月24日、25日、東京・帝国ホテル)と、「NTTグループ コミュニケーションEXPO」(12月20〜22日、東京国際フォーラム)に出展する。
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