(C)2005「姑獲鳥の夏」製作委員会 |
直木賞作家・京極夏彦のデビュー小説を映画化。古本屋店主、陰陽師・阿倍晴明ゆかりの神社の神主、そして憑き物落としという3つの顔を持つ京極堂が、出産で死んだ女の無念が生んだ妖怪“姑獲鳥(うぶめ)”を手掛かりに、怪事件の謎解きに挑む。
昭和27年夏、東京。雑司ヶ谷の鬼子母神近くの産婦人科、久遠寺医院の次女、梗子(原田知世)は妊娠20カ月を迎えても出産する気配がなく、しかも彼女の夫が1年半前に医院の密室から忽然と消え、以来ずっと行方不明だというのだ。小説家の関口巽(永瀬正敏)は真相を調べるために、あらゆる知識を身につけた古本屋の店主、京極堂こと中善寺秋彦(堤真一)に相談をもちかける。「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」
京極堂は、失踪した夫が旧制高校の一級先輩の牧朗(恵俊彰)だと気付き、胸騒ぎを覚える。そして、共通の友人である私立探偵の榎木津礼二郎(阿部寛)に相談するよう促す。久遠寺医院を訪れた関口と榎木津は、梗子が閉じこもっているという書庫の床におびただしい量の血痕を目撃。一方、別の事件を追う刑事の木場修太郎(宮迫博之)は、久遠寺医院から新生児が連続して行方不明になっている事実をつかむが……。
1994年に発表された小説「姑獲鳥の夏」は、当時はまったく無名の新人作家だった京極夏彦のデビュー作。いわゆる京極堂シリーズの第1作にあたる。京極夏彦といえば、嫌がらせかと思うほどの分厚いミステリー小説を書く人気作家。言葉の洪水にあふれ、作者のうんちくが凝縮された独特な怪奇ミステリーの映像化は不可能と言われていたが、「帝都物語」「D坂の殺人事件」の実相寺昭雄監督がこれに挑戦。レトロで怪しげな世界を創出している。
京極堂は不思議な事象に妖怪の名前と姿を与え、それを祓うことによって、相手を救い事件を解決していく。この難役を「ローレライ」「フライ,ダディ,フライ」の堤真一が魅力たっぷりに演じている。このほか、気弱な小説家の関口君に「隠し剣 鬼の爪」の永瀬正敏、大財閥の御曹司で他人の記憶が見えるという不思議な私立探偵・榎木津に「トリック」の阿部寛など個性派が勢ぞろい。
2枚組プレミアム・エディション」の特典は、京極夏彦&実相寺監督のコメンタリー(音声解説)や、メイキング、インタビューなど173分に及びボリューム。初回版のみ京極夏彦がデビュー当時に描いた特製アートカードを封入している。12月22日には3枚組の特製桐箱入り「京極堂BOX」が登場。こちらは「画図 百鬼夜行」の完全復刻本や、別メイキングなどを収めた特典ディスクをもう1枚同梱している。
関連サイト:http://www.ubume.net/(公式サイト)
|
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR