映像を撮影するときに、奥行き情報も一緒に撮影したいというニーズは昔からある。以前、NHKの技術研究所公開でも、そういうものをみたことがある。
今回、松下電工が展示していた「距離画像センサ EKL3101」は、これを比較的小さなサイズ(150×60×70ミリ)で実現したものだ。
原理はプリミティブ。赤外線LEDを一瞬光らせて、それが対象物にあたって跳ね返ってくるまでの時間をCCDの各画素ごとに測定する。それだけ。そんなことできるんですか? と思わず聞いてしまったのだけど、できるらしい。応答速度は15フレーム/秒。1.2〜7.5メートルの範囲での距離測定ができる。
デモでは、これをつかって、一定の距離よりも遠くにある人は水の底に沈めてしまったり、一定の距離の人の上に「ぷよぷよ」が降ってきたりといったものを見せていた。
このようなアミューズメント方面のほかに、ロボットの視覚に使いたいという引き合いが多いそうだ。これはよくわかる。人間との接触を防ぐという目的もあるだろうし、ボールを蹴りたいという目的もあるだろう。ただし、この用途にはまだまだ大きい(Robocup中型リーグなら大丈夫そうだけど、ヒューマノイドには無理だ)。もっともまだ中身はディスクリートなので大きいという要素もあるそうなので、需要さえあれば小型化は進みそうだ。
横長画面の「PSP」を見ると、あれに左右画像を並べて立体視したくなるというのが3Dオタクである。これは、まさにそういう展示。
コンテンツは劇場版NARUTO(版権ものなので写真が載せられない。またごめんなさい)。実は、こっちが本当の展示。デジタルモーションは、2Dの映像コンテンツを自動的に3Dにするというサービスを行っているのだ。画像の輝度情報をつかったり、その前後のフレームの画像を調べたりというなかなかインテリジェントな方式らしい。
こういう考え方は今までにもあって、戦闘機が飛んでくるなんていう実写映像には高い効果をあげていた。でも、アニメでも使えるんですね、と聞いてみた。
「そうなんです。やってみたら、案外うまくいってびっくりというところがありました。アニメはセル画で作るんで、画面がレイヤー構造になっていますよね。そのおかげでうまくいくんです」だそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR