BD-ROMの規格策定が終わり、標準化のフェーズから各社が製品化による実ビジネスへとフェーズを移したBlu-ray Disc陣営。今後はHD DVD対BDという構図ではなく、Blu-ray Disc Association(以下、BDA)内の競争も激しくなってくる。BDドライブ搭載製品の見通しについて、ソニー シニアバイスプレジデントの西谷清氏、ビデオ事業本部の島津彰氏、ビデオ事業本部BD企画部統括部長の河内幸紀氏の3人に話をうかがった。
――昨年12月のBDAでBD-ROM規格の最終版について検討される予定になっていましたが、その結果はどのようなものだったのでしょう。
「BD-ROMの規格化はすでに完了し、各社でレビューを行っているところです。今週はInternational CESがありましたが、来週にはレビューも終了し、数日中にはライセンスが開始されます。ただしAACSに関しては最終仕様は決まりましたが、まだレビューが終了していません。しかし、これも近くライセンスと鍵発行が開始されます」
――12月のBDAでは、AppleからVC-1をオプション化するという動議が出たようですが、この結果はどのようになったのでしょう。
「継続協議することになっています。ただし、VC-1を必須要件とする内容でBD-ROM 1.0は作られています。ディスクが実際に作られるタイミングまでに決まらなければ、そのままBD-ROM 1.0に必須要件として含まれます」
――12月のBDAでは、Warnerから数多くのBD-ROMに対する質問があり、かなりの時間を要して話し合われたようです。多くのコンテンツを持つ重要な映画会社ですが、彼らは初期タイトルのリリース後も、まじめにBDに対して取り組もうとしているのでしょうか?
「一言でBD-ROMといっても、その規格が記載された書類は数百ページにもわたるものですから、BDAに加盟してすぐのWarnerは、わからないところがあって当然です。彼らは真剣にBD-ROMのビジネスに取り組もうとしています」
――松下電器産業やパイオニア、国内ではシャープなど、BDA加盟のメーカーに強力なライバルがいます。今夏、プレーヤーを北米向けに発売することを発表しましたが、国内での製品計画はどのように考えていますか?
「国内は録画機のみで、プレーヤーの販売は予定していません。発売時期は未定ですが、北米でのプレーヤー発売よりは後になります。まずプレーヤーで機能を実装し、それをデジタルチューナーなどを組み込んだ録画機のプラットフォームに組み込んでいく必要があるためです」
――ソニーには高級BDプレーヤー、あるいはレコーダーであっても「BDZ-S77」のような音質にこだわった高級機を期待する向きもあります。当初、複数のラインアップを組む予定はありますか?
「現在のところ、発売する製品数に関しては決まっていません」
――CELLプロセッサをBDレコーダーに活用することは検討していますか?
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