ITmedia NEWS >

サイコロボディから存在感のある低音――ヤマハ「NX-A01」レビュー小特集:机上のお手軽サウンド強化(2/2 ページ)

» 2006年01月31日 00時32分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
前のページへ 1|2       

ボディサイズからは想像できない低音の存在感

 今回はノートPCと接続し、MP3エンコード(ビットレートは160kbps)した曲を収録したiTunesをライブラリソフトとして音楽をならしてみた。

photo 机上のiBookと接続してみた。

 正直、これだけの小型ボディということもあり、音にあまり期待はしていなかった。しかし、実際に再生してみると予想以上にメリハリのきいた音を鳴らすことに驚いた。スピーカーが左右側面に180度開く形で配置されているので、ステレオの解像感が乏しいのは仕方ないかもしれないが、音の広がり方に不自然さもなく、BGM再生用スピーカーと考えれば、まったく問題ないクオリティだといえる。

 小型のアンプ内蔵スピーカーにありがちな低音のスカスカした感じもなく、ポップスを再生してみてもベースラインやバスドラムの音圧がきちんと伝わってくる。この低音再生能力は同社の低音再生技術「Swing Radiator Bass」(スイングラジエーターベース)によるものが大きいようだ。

 Swing Radiator Bassは、スピーカーユニットの背面に発生する背圧で振動板を駆動することで、効率よく低音を再生する技術。低音の拡大にポートの共鳴を利用するバスレフ方式に比べてスピーカー形状の制約が少ないほか、ポートからの風切り音も発生しないというメリットもある。

photo 本製品を裏返してみると、「YAMAHA」ロゴの裏側に振動板があることが確認できる

 ただ、容量の少ない小型スピーカーの宿命か、ある程度音量を上げないと低音の存在感が薄れ、音が平坦になる印象も受けた。ボリュームはボタン式の調整なので、具体的に表すことはできないが、ひとりでいる静かな室内でBGMとして最適に感じる音量よりも気持ち音を大きくした方が、本製品の特徴を引き出せるように思う。

 音楽ケータイと同時に発表された経緯からか、携帯電話のオプション的なとらえ方をされてしまうこともある本製品だが、PCの内蔵スピーカーで音楽を楽しんでいたユーザーにとっては、サウンドクオリティをワンランクアップさせるアイテムとして評価できる。“ウリ”のひとつである低音のプレゼンスについても、Swing Radiator Bassの実装もあり、サイズに見合わないほどのサウンドを奏でてくれる。

photo iPodとの組み合わせ

 今回の試用で、もう一工夫欲しいと思ったのが電源の供給方法。携帯電話やポータブルオーディオプレーヤーとの組み合わせ以外にも、今回のようにノートPCと組み合わせるというシーンも多いはず。ならばUSBからの給電に対応することでより机上がスッキリし、本体のデザインも際だったかもしれない。

 NX-A01の価格はオープンで、実売想定価格は1万2000円前後。“小型のアンプ内蔵スピーカーユニット”として考えると決して安価な製品とはいえないかもしれないが、設置の容易さや本体のコンパクトさ、サウンドのクオリティを総合して考えれば、机上の音楽ライフをより楽しくしてくれるお手軽なツールとしてお勧めできる製品といえる。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.