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魚の視覚で世界を切り取る――デジタル対応魚眼レンズ5本撮りくらべレビュー:デジ一眼「2本目のレンズ」(4/5 ページ)

» 2006年02月02日 16時13分 公開
[永山昌克,ITmedia]

シグマ「8mm F4 EX DG CIRCULAR FISHEYE」

 シグマ「8mm F4 EX DG CIRCULAR FISHEYE」は、従来の「8mm F4 EX CIRCULAR FISHEYE」をデジタル用にリファインした製品だ。ここまでで取り上げた4本のレンズは、画面の対角線方向に約180度の画角を持つ「対角線魚眼レンズ」だが、このレンズは全方向に約180度の画角を実現し、画面を円形に写し込む「円周魚眼レンズ」である。

 非常に個性が強く、天体観察などの記録用にはいいが、作品用に使いこなすのはちょっと難しいかもしれない。面白いことは確かだが、被写体や構図に工夫しなければワンパターンの写真になりやすい。

 また不用意に構えると画面に指が入ったり、自分の足元や影が写り込んでしまうことがある。撮影にはそれなりの配慮が必要だ。もっとも、あえて自分を入れて一風変わった記念写真を撮るのも楽しい。

 価格は8万円で、実売は6万円台から7万円台前後。シグマ用、キヤノン用、ニコン用が発売中で、コニカミノルタ用とペンタックス用の発売日は未定だ。以下の作例では、キヤノン用を「EOS 5D」で使用した。

photo シグマ「8mm F4 EX DG CIRCULAR FISHEYE」。最大径は73.5ミリで、全長は63ミリ。重量は320グラム。最短撮影距離は20センチとなる
photo 現行製品としては数少ない円周(全周)魚眼レンズ。従来品に比べ、フレアやゴーストの発生を軽減したという
photo レタッチソフトを使って画面をトリミングすれば、対角線魚眼と同等の構図にもなる

魚眼の歪みを補正し、超広角に変換する

 魚眼レンズはそれほど売れないと書いたが、フィルムの時代に比べると、デジタル時代の今は活用範囲がさらに広がったといえる。レタッチソフトで歪みを補正すれば、超広角レンズとしても利用できるからだ。

 魚眼の歪みを補正するには、ニコンの画像ソフト「Nikon Capture」のフィッシュアイ変換機能を使うのが最も手軽だろう。画像を開き、「フィッシュアイレンズ」のボタンをワンクリックするだけで、超広角レンズで撮ったように補正できる。

photo ニコン「AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G」で撮影した元画像
photo 「Nikon Capture」のフィッシュアイ変換機能で補正した
photo ニコン「AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G」で撮影した元画像
photo 同じく「Nikon Capture」のフィッシュアイ変換機能で補正。「画像以外の部分を含めて処理」のチェックボックスをオンした場合は、このような結果になる

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