今回リリースされたハードディスクハンディカム「DCR-SR100」では、記録メディアに30Gバイト容量の1.8型HDDを採用した。つまり、ハードディスクEverioの最上位機種「GZ-MG77」と同じである。動画はMPEG-2でエンコードされ、画質は3モード(すべてVBR)を用意した。約9MbpsのHQモードで7時間20分、SPモード(6Mbps)で約10時間50分、LPモード(3Mbps)では約21時間40分の撮影が可能となる。
ソニーでは小型ビデオカメラを実現するために、HDDを採用したわけではなく、あくまで使い勝手の面でHDDという選択肢を追加したようだ。本体のサイズは82×69×149ミリ、質量約535グラム(撮影時総質量は約615グラム)と、決してコンパクトではない。特に幅が結構あるなという印象だ。
さすがにHDVカメラ「HDR-HC1」(71×94×188ミリ/約680グラム)ほどではないものの、DVDカメラ「DCR-DVD505」(66×90×147ミリ/約540グラム)とほぼ同じで、DVカメラ「DCR-HC96」(72×91×120ミリ/約460グラム)と比較すると、大きさ、質量ともにかなり上回ってしまう。
つまり、この「DCR-SR100」は“普通のビデオカメラ”として作られており、実際、HDD方式という点を除けば、基本的なカメラ機能はほかのハンディカムに準じている。総画素数331万の1/3型原色フィルターCCDを搭載し、レンズにはもちろんカールツァイス「バリオ・ゾナーT*」を採用。光学10倍ズームも装備している。
MPEG-2で記録し、内蔵サラウンドマイク(4ch)を利用してドルビーデジタル5.1ch音声記録が可能という点も合わせて考えると、最もスペックが近いのはDVDハンディカム「DCR-DVD403」だろうか。意外だったのは、メモリースティックDuoスロットを装備していない点だが、思い起こせば「DCR-DVD403」も非搭載だった。
目新しいのは、「DCR-DVD505」と同様に、新たに発売されたBluetoothワイヤレスマイクロホン「ECM-HW1」との組み合わせで、5.1chセンターマイクモードも利用可能になっている点だろうか。
HDD搭載は大きな変化だが、実際に使っていて印象的だったのは、すべてにおいて静かに使えるということだ。ガチャガチャとメディア交換を行う必要がないばかりか、さらに撮影中もHDDの動作音はほぼ聞こえず、本体に耳をつけると、ようやく聞き取れるレベルだ。
このハードディスクハンディカムでは、同社のネットワークウォークマン“HD”シリーズと同じく、耐衝撃ダンパーと重力加速度センサーでHDDを保護している。これが、HDDスマートプロテクション機構だ。
まず、HDDユニットは、衝撃緩衝材で上下から挟み込まれ、フローティング状態になっている。さらに、本体が落下した場合には、内蔵3Gセンサーが自動検知し、落下距離が15センチに達する前に、HDDの電源をオフにする(結果としてヘッドが自動的に退避し、衝撃によるデータの損傷を防ぐ)。
つまり、ハードディスクEverioと同様の措置がとられているわけなのだが、実は「HDDの電源をオフ」の際の処理がまったく異なる。本体の動作が停止してしまうのではなく、そのまま撮影を継続できるのだ。というのも、この「DCR-SR100」では、ヘッド自動退避時も本体内のメモリに記録を続ける「落下ストリームバッファー」機能を搭載している。HDD停止はほんの数秒で、その後、HDDの動作が再開されればバッファ内のデータが自動的にHDDへ移されるという仕組みだ。
この「落下ストリームバッファー」が動作した場合、画面右上(時間表示の下)にアイコンが点滅し、ユーザーに知らせてくれる。もちろん、撮影後の映像を見ても、途切れはまったく見当たらない。
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