松下電器産業は3月8日、HDMIケーブルを介してほかの機器をコントロールできる「ビエラリンク」搭載のAV機器製品群を発表した。薄型テレビ「VIERA」、DVDレコーダー「DIGA」のほか、AVアンプや5.1chスピーカーなどのホームシアター製品をラインアップ。全19製品を4月10日から順次販売する。
ビエラリンクは、HDMIケーブルにある操作信号伝送用の予備ラインを活用する。対応機器同士をHDMIで接続すると、たとえばVIERAリモコンを操作してDIGAやAVアンプを起動したり、DIGAで録画を開始するといった操作が可能になる。さらに、DIGAにDVDビデオを挿入すると自動的にVIERAの電源が入り、外部入力に切り替わるような連携動作もサポートした。
パナソニックマーケティング本部の牛丸俊三本部長は、ビエラリンクを「デジタル伝送の高画質にくわえ、ケーブル1本で映像/音声/操作信号を伝送できる“デジタル放送時代の快適ソリューション”」とアピール。カラー化や大画面化に続くテレビ需要の“第4の波”においては、誰もが使いこなせる操作性が重要になるとした。
「VIERA」新製品は、新サイズの58V型をくわえたプラズマテレビ「PX600」シリーズ4機種と32V型液晶テレビの「TH-32LX600」の計5機種が登場した。どちらも新型のパネルと映像処理エンジン「新PEAKS」を搭載し、さらに「PEAKSプロセッサー」には、ビエラリンク実現のために同社のシステムLSI「UniPhier」が統合されている。
型番 | 概要 | 店頭予想価格 | 発売日 |
---|---|---|---|
TH-58PX600 | 58V型PDP | 78万円前後 | 5月1日 |
TH-50PX600 | 50V型PDP | 56万円前後 | 4月15日 |
TH-42PX600 | 42V型PDP | 45万円前後 | 4月15日 |
TH-37PX600 | 37V型PDP | 36万円前後 | 4月15日 |
TH-32LX600 | 32V型液晶 | 30万円前後 | 4月15日 |
PX600シリーズの「新PEAKSパネル」は、パネル材料の改善や駆動損失低減により、発光効率を従来比20%向上している。また、独自の「リアルブラック駆動方式」をブラッシュアップ。予備放電の発光量をさらに低減して黒の表現力を上げ、さらに前面保護ガラスに透過率を抑えた新フィルターを採用するなどして、コントラスト比4000:1(最高10000:1)を実現したという。明所コントラストや映り込みを抑える新ARコートなども合わせ、プラズマテレビが苦手とする“明るい環境下の画質”を改善した。
新しい「PEAKSドライバー」は、最大16ビットのデジタル処理が可能になり、「従来のPX500シリーズに比べ、階調表現力が約50%向上した」(同社)という。さらに動画の疑似輪郭ノイズが出やすい動きパターンを自動検出し、ノイズを抑える「モーションパターンノイズリダクション」、1ドット単位で輪郭補正を行う「サブピクセルコントローラー」などが細かい部分や動きのあるシーンもしっかり描写するという。その結果、「動きの速いスポーツ中継も快適に楽しめる動画解像力を得た」(同社AVCネットワークス社PDPテレビビジネスユニット長の藤田正明氏)。
一方の「TH-32LX600」には、視野角の広さが特徴の「IPS α液晶パネル」を採用している。これにLX500シリーズから継承したクリアフォーカス駆動を組み合わせ、残像を50%削減。さらに、1フィールドごとに前後の映像との整合を図りながらコントラストを調整する「コントラストマネジメント」、LX500シリーズの3倍の色空間で色合いや明るさを検出・再現する「液晶ビビッドカラークリエーション」などの高画質化技術を搭載し、液晶テレビが不得意な“深みのある鮮やかな映像”を表現するという。同社はこれらの新技術をまとめて「クリアピクチャー」と呼ぶ。
インタフェース類は、PX600シリーズがHDMI×2、D4入力×2、ビデオ入力×4(うちS端子×3)、PC用のRGB入力×1、光デジタル音声出力、モニター出力(S端子付き)、i.Link×2など。TH-32LX600も、HDMIが1系統になる以外はほぼ同じ構成となっている。
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