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第43回 桜と景色の関係今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)

» 2006年03月09日 09時32分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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咲いているだけが桜じゃない

 桜が面白いのは、咲いているだけじゃないということ。満開をすぎて、落ちた花びらがジュウタンになるのもまた桜ならではだ。あまり踏み固められちゃうと汚くなるけど、場所とタイミングと明るさを選べば独特の面白さがある。

 これは住宅街の団地の中にある名もないような小さな公園。でも桜の木々が背景を隠してくれる。桜だけだと色的に寂しいので、思い切った縦位置のローアングルにして、手前に花壇のカラフルな花を入れ、落ちた花びらをたくさん入れてみた。落ちた花びらがなければ単なる土で色気も何にもないのだ。

 このように道路の隅に集まっている桜の花びらもいいが、日差しがきれいに当たってないとなかなかきれいには撮れないもの。

 散った桜を撮るには桜以外にほかの何かと組み合わせるのがよい。

 これは人と組み合わせてみた。花びらで遊んでるだけなんだけど、人が入るとスケール感が出て花びらの多さが分かる。

 落ちた花びらをアップで撮るときもほかのものと組み合わせると面白い。今回はたんぽぽと組み合わせてみた。たまたま桜の木の下にたんぽぽがたくさん咲いていただけなんだけどね。

ツインたんぽぽをメインに、背景に花びらをボカして入れてみた
たんぽぽを斜めに入れ、背景の花びらが目立つようにしてみた

 たんぽぽの黄色と桜の薄いピンクがなかなかいい感じになった。

 マクロにして近づくとどうしても背景がボケてしまうので、それを防ぐには広角側で広く撮るといい。

 さらに縦位置にして遠近感を出してみた。

桜の絨毯が延々と続く感じで地面だけを撮影
思い切ってローアングルにし、遠くの桜の木も入れてみた

 2枚目の写真はよく見ると左に落ちてくる桜の花びらも写ってる。この辺はたんぽぽの写真のふりをした、桜の写真だったりするのだ。

 今回は桜だけじゃなくて、風景の中に桜をどう入れるかでバリエーションがぐんと広がるという話。あとはできるだけ花が明るく写るように日差しに注意したり、プラスの露出補正をかけたりして撮ればいいだろう。

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