ワコーグループは3月20日、インターネットを介して個人や企業が動画を配信する“放送ポータルサイト”「SeeBox.jp」を発表した。4月から100人程度のユーザーによる実証実験を行い、10月初旬に商用サービスを開始する予定だ。
動画配信には、韓国DideoNETの「SeeMedia」技術を採用する。映像コーデックはH.264ベースで、音声コーデックにはMP3/MPEG-4 AAC。個人向けサービスの場合は、200〜300Kbpsの動画配信が可能になるという(解像度は320×240ピクセル)。当初はストリーミング配信のみだが、将来的にはダウンロードやライブ放送も可能にする方針で、「個人向け放送サービスで“生中継”をサポートするのは国内初」(同社)。このほか、課金や視聴者同士のコミュニケーションを可能にするプラットフォームの提供も予定している。
SeeBoxプロジェクトリーダーの飯島ツトム氏によると、既存の映像配信サービスと異なるのは「ネット上にさまざまなツールを提供すること」。SeeBoxの会員になると、「スタジオ」と呼ばれるユーザー専用ページを持つことができ、動画編集ソフトや映像制作に利用できる各種素材(BGM、映像ライブラリ)が提供される。
また、自分のサイトをデコレーションするための各種ツールを用意。たとえば音声合成を利用してテキストを読み上げる「専属ナレーター」、ネット上のキャラクターにさまざまな表情を付ける「ブログパーツ」、ユーザーやキャラクターの“分身”を作る「クローンキャスター」などだ。ワコーグループでは、同時にコンテンツ制作における吉本興業との事業協力を発表しており、お笑い芸人のクローンキャスターなどを順次提供していくという。このため発表会にはレイザーラモンHGさんと山田花子さんが登場。自らのクローンとともに新サービスをアピールした。
サービスの運営は、ワコーグループのタカラインデックスeRラボが担当する。10月の商用サービス開始時には、個人、企業、自治体などをターゲットにした5つのパッケージ(下表参照)をラインアップする予定で、個人向けサービスの料金は月額300〜1000円程度になる見込みだ。同社では、その後も順次新サービスを追加し、「2007年3月までに100万人の会員獲得を目指す」(タカラインデックスeRラボの佐藤慶太社長)としている。
名称 | 概要 |
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個人のエンタメチャンネル | 個人がネット上にスタジオを持ち、ブログのように使ったり、パーソナルな映像作品を公開したりできるコミュニティスペース |
ラップトップブロードキャストチャンネル | 同社が特派員を募り、各地のライブ映像を配信するチャンネル |
SAKKAチャンネル | 映像や音楽のクリエーターのためのチャンネル。作品発表やクリエーター同士の交流の場となる |
CCC(コーポレートコミュニケーションチャンネル) | 有料コンテンツのVoD配信や企業の宣伝(CM)、ネットTVショッピングなどに活用できる企業向けサービス |
SCC(ソーシャルコミュニケーションチャンネル) | 学校やNPO団体、地方自治体などを対象としたチャンネル。学校紹介映像の配信や自治体の取り組み発表、環境コミュニケーション活動などに活用できる |
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