――2.7インチの液晶を搭載した、ポケットボトルのような丸みを帯びた厚みのある形状も特徴のひとつです。どのような経緯でこのサイズとボディデザインになったのでしょう。
丸川氏: ストレージにフラッシュメモリを採用して、なるべく小さく・薄くするというアイディアもありました。ただ、「PCとつないで転送するだけで動画や音楽もすべて楽しめる」というコンセプトを実現するには、ある程度の容量が必要です。そのため、ある程度厚みは覚悟した上で、HDDの搭載が必要だと考えました。
製品企画時に携帯動画プレーヤーといえば3.5インチ液晶を搭載したモノが主流でしたが、それでは存在感がありすぎて、電車内などで使うには少し気恥ずかしく感じてしまいます。液晶を大きくすると消費電力の問題も浮上しますから、さりげなく日常生活のなかで使うことを考えると、2.7インチ液晶がベストではないかと考えたのです。
市場としては小さいかもしれませんが、持ち出してまで見たい録画映像のひとつに、語学番組のような学習コンテンツがあると思います。そうしたことも含めて考えると、字幕やキャプションまでしっかりと見られる最小のサイズが2.7インチだと思います。
――極端な小型化を目指さないというのであれば、より大容量のHDDを搭載した方がよかったのではないでしょうか? (VoToLが搭載しているHDDの容量は30Gバイト)
廣瀬氏: 確かに人によっては、30Gバイトを少ないと感じるかもしれません。ですが、PCからインポートした映像を携帯プレーヤーにずっと保存している人は少ないと考え、30Gバイトでも問題ないだろうと結論づけました(VoToLは本体側の操作で収録された動画ファイルを消去できる)。音楽だとまた話が違うのですが、映像はテンポラリ的に収納できればいいと思います。
――「ひねる」というアクションで動画や音楽の再生機能を切り替える「VoToL Cap」も特徴のひとつですね。
廣瀬氏: 携帯動画プレーヤーを企画しておいて言うのもナンですが、外出先で動画を見ることのできる時間は限られていると思うんです。通勤だけにシーンを限っても、駅に向かう間は音楽を聴き、ホームでの待ち時間には動画を見、満員の車内ではまた音楽を聴く――と素早く機能を切り替えられたほうが便利ですよね。
メインメニューを呼び出して各機能を切り替えるという方法も考えましたが、満員電車の中でそうした操作を行うのは現実的ではありません。最も目立つVoToL Capに、最も重要度の高いファンクションに割り当てたのにはそうした理由があります。
――レビューの際、動画を見ている最中でもVoToL Capをひねってしまうと音楽再生や静止画ビューワーに切り替わってしまい、戸惑いを感じることがありました。
廣瀬氏: 確かに戸惑いを与えてしまうかもしれません。しかし、そこは割り切りました。初めて手にした方はVoToL Capをボリュームだと思うこともあるようですが、使っているうちに私たちの意図が伝わると思います。
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