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“マルチメディアプレーヤーではない”VoToLに込められた想いインタビュー(3/3 ページ)

» 2006年03月28日 11時07分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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「VoToLをAV機器としてアピールするつもりはない」

――“携帯嗜好品”としてアピールするには、実際に手にしてもらってその質感を感じてもらうが最もよい方法だと思いますが、なぜWeb直販(NECダイレクトのみ)のみなのでしょう。

廣瀬氏: このままWeb直販だけで、販売し続けるという訳ではないです。ただ、VoToLのような商品に、ユーザーがどのような反応を示すのか正直分からないので、まずはユーザーからの声が届きやすいWeb直販から開始し、反応を見た上で次の展開を考えたいと思っています。

――VoToLは翻訳支援機能の「Transpeech」や画像ビューワーなども搭載していますが、強力な動画再生能力に比べると、どうしてもオマケ的なニュアンスを感じてしまいます。「マルチメディアプレーヤー」として、動画再生だけに機能を絞り込まなかった理由があるのでしょうか?

廣瀬氏: 私たちはこの製品をiPodのライバルとは考えていませんし、これからそうするつもりもありません。実は、純粋にAV機能を前面に押し出していくという考えもないのです。

 VoToLシリーズにはキーワードが2つあります。PCをもっと使ってもらうための「PC連携ツール」、もうひとつはユビキタス社会における便利な「モバイルツール」です。テレビパソコンが広く普及している現在、PCをより活用してもらうためには、AV面での連携が欠かせません。「テレビパソコンとAV面で連携するモバイルツール」が、新製品の目指すポイントです。

 VoToLがメディアプレーヤー機能に重点を置いていることは事実ですが、NECはAV専業メーカーになろうとしている訳ではないです。PCとの連携を重視し、モバイルツールとしてのあるべき姿を求めていきたいと思っています。

photo NECらしい、PC連携可能なモバイルツールとしてVoToLを進化させたいという廣瀬氏。モバイルギアやシグマリオンの開発にも携わった経歴を持つ。

――シリーズという言葉が出ましたが、「VoToL」という名称をブランド化する計画があるのでしょうか。

廣瀬氏: 将来のことはまだ分かりませんが、担当者としてはシリーズ化したいと思っています。その意味も含めて、今回はテストマーケティング的な販売手法をとることで、ユーザーからの声を引き出し、進むべき方向を定めたいと考えています。

丸川氏: 今回はキャップのついたデザインということもあり、「VoToL」という名称になりました。新製品を企画するならば形状の見直しや小型化などが進められるかもしれませんが、“好きなモノを入れて持ち歩く携帯ボトル”という考え方は変わらないはず。この名称は継続できればと思いますね。



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