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撮った後でも手ブレ補正ができる――オリンパス「μ810」レビュー(2/5 ページ)

» 2006年03月30日 11時40分 公開
[小山安博,ITmedia]

 露出補正が十字キーから選べるようになったのはいいのだが、個人的には上ボタンを押してから左右で露出補正、という動きがどうにも不自然に感じてしまう。非常に細かい点なのだが、左右どちらかに露出補正を割り当てるか、補正値の動きを上下にしたほうが自然だと思う。逆にマクロは左を押してから上下で設定するので、どうもちぐはぐな感じがしてしまう。

 この十字キーからの機能設定だが、たとえばマクロボタンを押した場合、まずマクロやスーパーマクロといった選択肢が画面に現れ、それを見ながら設定する方式だ。メーカーによっては、選択肢を表示せずにボタンを押す度に機能が変わる、という方式もあり、オリンパスの方式の場合、機能が一覧できて分かりやすいもののボタン操作で一手間かかる。

photo たとえば十字キーの左を押してマクロ選択画面を呼び出したところ。このあと上下ボタンで設定する

 十字キーの中央はOK/FUNCとなった。「FUNC」は、機能としてはキヤノンのデジカメに近いもので、これを撮影中に押すとPモードとオートモードの切り替え、ホワイトバランス、ISO感度設定、測光方式などに簡単にアクセスできる。こちらもメニュー画面から機能を選択するよりも素早い設定が可能で、使いやすさが向上している。

photo FUNCボタンはよく使うホワイトバランスとISO感度にアクセスしやすくていい

 これまでボタンに割り当てられていたGUIDE機能はモードダイヤルに配置され、逆にモードダイヤルにあったブレ補正機能はボタンに割り当てられた。GUIDE機能は、「被写体を明るく撮影したい」「逆光で撮影したい」といったシチュエーション別に、どのような設定で撮影すればいいかを示してくれるヘルプ機能だ。説明書を持ち歩くより手軽で、初心者には便利な機能だが、少し慣れてくると頻繁に使う機能ではなくなるので、ボタンよりもモードダイヤルに配置された方がいい。

 ただ、この機能はこれまでよりも大きく強化されている。これまでは、設定の仕方を提示するだけで、設定は自分で行う必要があったが、今回はGUIDE機能を選択していくとカメラが自動的に適切な設定をしてくれるようになり、使い勝手ははるかに向上している。

photo GUIDEモードにあわせ、シチュエーション別にガイドを選ぶとカメラの設定を自動的に変更できるのは優れた機能だ

 また、モードダイヤルの位置はなかなかよく、片手で操作してもあまり窮屈でなく操作しやすい。全体的にボタンの配置はよく練られており、液晶を挟んで左右にボタンがばらついているよりもスムーズに操作できた。ボタンの見直しもあり、全般的に操作性はだいぶよくなっている。

評価の難しい電子手ブレ補正

 撮像素子は前述の通り有効画素数800万画素の1/1.8型CCDを搭載。フラッグシップモデルとはいえ、μシリーズで800万画素まで必要かどうかはともかくとして、これはμ DIGITAL 800と共通だ。

 レンズは一新されており、非球面レンズ4枚を含む4群6枚構成の光学3倍ズームレンズで、焦点距離は35ミリフィルム換算35〜105ミリをサポート。やや広角側に寄った形になった。F値はF2.8〜F4.7と平均的。撮影可能範囲は、通常で60センチ〜∞、マクロで30センチ(ワイド端)/50センチ(テレ端)〜∞と、わずかに寄れなくなった。

 撮影モードは、プログラムモードとオートモード、それにシーンモード20種類で、μ DIGITAL 800にはあったシャッター速度優先AEと絞り優先AEがなくなった。より初心者向けに特化したのかもしれないが、せめてシャッタースピードだけでも設定できるとよかった。

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