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今度こそブラウン管から卒業――大画面薄型テレビ購入のポイント+D Shopping バイヤーズガイド(2/3 ページ)

» 2006年05月12日 22時45分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

接続端子――HDMI端子はぜひとも欲しい

 どのような接続端子をどれだけ備えているかも忘れずにチェックしたい。多くのモデルがD端子(もしくはコンポーネント)、コンポジット/Sビデオといった映像入力端子を備えているが、DVDレコーダーや家庭用ゲーム機など、テレビに接続しなくてはならない機器も増えているので、その端子数が接続したいAV機器/ゲーム機とマッチするかは確認しておくべき。

 忘れてはいけないのがHDMI端子の有無。HDMIは映像と音声を1本のケーブルで伝達できるので背面がスッキリするというメリットもあるが、コピーコントロールされたハイビジョン映像データの再生/表示にも欠かせない。HD DVDやBlu-ray Discといった次世代DVD製品の導入を考えているならば、必須といえる。将来性を考えるならば、ぜひともHDMI端子を搭載した製品を選びたい。

photo HDMI端子とケーブル

 HDMI端子を利用したユニークな機能を備えているのが、松下電器産業のビエラシリーズが備える「ビエラリンク」。HDMIで接続した製品同士を1つのリモコンでコントロールできる機能で、3月に発表された製品群から搭載されている。DVDレコーダーやAVアンプを1本のケーブルで接続するだけで、テレビのリモコンからさまざまな操作が行えるのだ。残念ながら同社独自の規格で他社製品との互換性はないが、テレビと同時にDVDレコーダーも買い換えたい、と考えているならば検討に値する。

画質はどうか――最終的には自分の目で確認を

 最も気になる画質について。ブラウン管テレビからの乗り換えた場合、液晶テレビの画面に当初は戸惑いを感じるかもしれない。これはブラウン管がそれ自体発光するのに対して、液晶はそれ自体では発光せず、光源となるバックライトが別途必要であることに起因する。プラズマはプラズマディスプレイ自体が発光するので、ブラウン管テレビに近い印象を受けるかもしれない。

 画質については、液晶/プラズマを問わず各社製品とも視聴時の映像をよりキレイに見せるための高画質化回路を搭載することが多い。どのような方針で回路を設計し、セッティングするかでかなり見え方は異なる。画質については好みの部分も大きいので、実際に店頭で画面を見比べることをお勧めする。

 液晶テレビでサッカーなど動きの激しいスポーツを見る場合、ブレの少ないキレイな映像を映し出せるかはパネルの応答速度が大きな要素となるが、最近のモデルは6〜10ミリ秒と高速。日立製作所のWoooシリーズのように、受信画像のフレーム間に黒い画面の映像を入れて応答性を向上させる「スーパーインパルス表示技術」といった技術を導入したモデルもあるので、これも実際に店頭で確認しよう。

 また、大画面テレビでアナログ地上波放送を見る場合、放送波自体がハイビジョン映像ではないために引き伸ばして表示せざるを得ない。地上デジタル放送しか見ないならば問題はないが、アナログ放送用の高画質回路を搭載しているかもチェックポイントになるだろう。

その他の+α

 最近は市場がこなれてきたせいか、特徴のある付加機能を搭載して競争力を高めたモデルも目立つ。東芝や日立製作所、日本ビクターらの一部製品はHDDレコーダー機能を内蔵し、素早い録画やちょっと席を立つ時のタイムシフト視聴などに対応する。

 低価格モデルも注目だ。バイ・デザインをはじめ、ユニデン、ダイナコネクティブ、PCデポらは「9万円台の32インチ液晶テレビ」「17万円台の42型プラズマテレビ」などを販売している。高機能タイプとはいえないが、コストパフォーマンスを重視したいユーザーとしては気になる存在だろう。

photophoto 160GバイトのHDDを搭載しハイビジョン放送の録画も可能な東芝“REGZA”「42H1000」(左)、42インチで23万円と低価格なバイ・デザインの「d:4242GJ」(右)

 最後に、液晶/プラズマテレビをサイズ別に分類した+D Shoppingによる最新価格一覧を用意した。ベストな製品選びの一助になれば幸いだ。

・液晶テレビ(25インチ以上32インチ未満)最新価格一覧

――パーソナルユースにも適した最も安価なクラス。10万円以下から購入できる製品も多いが、地上デジタルチューナーを搭載しない製品も見受けられる。備える接続端子も製品ごとにまちまちなので、確認が必要。

・液晶テレビ最新価格一覧(32インチ以上37インチ未満)

――各社が激しい競争を繰り広げるボリュームゾーン。本体/画面サイズと価格のバランスに優れており、26インチクラスのブラウン管テレビからの買い換えに最適。フルHDパネル搭載モデルは存在しない。一通りの昨機能は備えるが、旧モデルではHDMI端子を備えていない場合もある。

液晶テレビ最新価格一覧(37インチ以上42インチ未満)

――フルHDパネルを搭載する製品が多く、ハイビジョン放送から次世代DVDまでを心ゆくまで楽しみたいならこのクラス。HDDレコーダーやダブルチューナーなど、充実した機能を備える製品が多い。実売価格20万円を切る製品もあるが、最新製品の平均実売価格は30万円ほど。

液晶テレビ最新価格一覧(42インチ以上)

――液晶テレビの最高峰。装備や機能に不満を覚える製品はほとんどない。65インチという大画面まで選択できるが、そこまでの大画面が欲しいならばプラズマテレビも比較対象として考えた方がいいだろう。

プラズマテレビ最新価格一覧(32インチ以上37インチ未満)

――プラズマテレビとしては最小クラス。製造しているメーカーも少なく、製品の種類も多くないが、それだけに思わぬ特価で購入できる可能性もある。

プラズマテレビ最新価格一覧(37インチ以上42インチ未満)

――このクラスから製品選択の幅がグッと広がる。価格も20万円前半から購入可能で、値ごろ感があるが、地上デジタルチューナーが別売あるいは外付けのモデルもあるので、購入前には確認しよう。

プラズマテレビ最新価格一覧(42インチ以上50インチ未満)

――プラズマテレビのボリュームゾーン。機能・装備的に申し分ない製品が各社から用意されている。42/43インチクラスの価格は40万円弱とそれなりだが、プラズマならではの大画面をというならば検討したいクラス。

プラズマテレビ最新価格一覧(50インチ以上)

――液晶/プラズマを含めた“大画面テレビ”の最高峰。50インチ以上の大画面テレビを購入したいならこのジャンルから製品を選ぶことになるだろう。100万円オーバーの製品もあるなど価格も最高クラスだが、フルHDに対応した製品も登場しており、コダワリたい人には気になるクラスといえる。

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