Tzero Technologiesは6月26日、ハイビジョン映像の無線伝送を可能にするUWB(Ultra Wide Band:超広域帯無線)チップセット「Tzero TZ7000」を7月より出荷開始すると発表した。DVDレコーダーやセットトップボックスなど、AV家電製品への搭載を狙う。
新製品は3.1G〜10.6GHzの帯域をフルサポートするUWBチップセットで、最大480Mbpsという高速伝送が行える。ソニーやNEC、Intelなどが参加している業界団体「WiMedia Alliance」の規格にも準拠していているが、「WiMediaの推奨する内容より、1000倍以上の性能を持つ」(同社CEO マイケル・グレッド氏)という信頼性や対干渉性の高さが特徴だ。
接続信頼性は99%以上、パケットエラーレートは1億分の1(MPEGパケットエラーが2時間5分に1回未満)となっているほか、干渉強度が信号強度の10倍でも信号抽出が可能となっており、壁越しでも100Mbps以上の速度を実現する。機器間の距離が10メートル程度ならば、ハイビジョン映像のストリームを3本以上伝送することも可能だという。
会場では1920×1080ピクセルのハイビジョン映像を、本製品で無線伝送するデモが行われた。同社CTO ラジブ・クリシュナモーシー氏はアンテナに缶をかぶせ、壁など部屋間に障害物があっても問題なく伝送されることをアピールした。
製品はPHY(物理)レイヤとMACレイヤを含むベースバンドSoC(システム・オン・チップ)の「TZ7100」とRFチップの「TZ7210」、アンテナ、各種ソフトウェアで構成されており、同社からはインタフェースにMiniPCIを利用したリファレンスデザインも提供される予定となっている。
「動画伝送に限れば802.11a/b/g/nより高品質な伝送が行えるチップセットで、干渉やフェードの影響を受けないのが最大の特徴だ。DVDプレーヤーやゲーム機、セットトップボックスなど家庭内エンターテイメント機器を主なターゲットとして考えおり、当面は据え置き型の機器への導入を目標としていくが、将来的にはポータブルデバイスのワイヤレス化も推進したい」(グレッド氏)
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