日本では阪神淡路大震災後に盛り上がった「ロボットによるレスキュー」という考え方も、時間が経つにつれてだんだん薄れてしまう危険性がある。それを防ぐには一般の人にわかりやすいレスキューのイベントを行っていくことも必要だ。レスキューロボットコンテストの考え方はこのようなものだ*2。
また、これは「人間を機械で扱う」ということを考えるきっかけにもなる。「優しく」ということが求められるのだ。実際のレスキューの現場でロボットが人間を直接救助することは、今後もおそらくないであろう。でも、福祉の現場などではロボットやパワードスーツといった機械で人間にふれることが出てきそうだ。「優しく」はこのような場面で役に立つ考え方だ。
これをサポートするのがコンテストの影の主役のダミー人形の「ダミヤン」だ*3。身長29センチ、体重850グラムのこの人形には、体表センサ、引っ張りセンサ、加速度センサを内蔵。手荒な扱いを受けるとそれを感知してパワーを失っていく(ヒットポイントが減ると言った方がわかりやすいかな)。優しく扱ってあげないといけない。
コンテストのもうひとつの特徴は、6分の1スケールなので、比較的参加しやすいということだ。Robocupレスキューのように、実サイズのロボットを作るというのは、技術的にも予算的にもそう簡単にはできない。作れる場所も限られる。でも6分の1スケールなら、もっと気軽につくることができる。高校生でも参加することができるレベルだ*4。実際、今回の予選会にも2つの高校生チームが参加して、そのうちのひとつは最高の成績を上げている。
予選にエントリーしたのは20チームだったが、1チームは棄権したので、参加したのは19チーム。このうち12チームが8月に行われる本大会に進むことができる。とはいうものの、うち2チームは地元枠ですでに進出が決まっているので、のこりの10の枠を17チームで争うことになる。
*2でも、コンテストの認知度はまだちょっと低い。関西地区以外でも開催できればいいのだが
*3ダミアンではなくダミヤン。関西風に「ミ」にアクセントをおいて発音する
*4現行のルールでは複数人からなるチームでないと参加が難しい。これが個人でも参加できるようになると、ROBO-ONEなみに盛り上がれる可能性がある
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