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屋外に最適な超望遠ズーム機――「LUMIX DMC-FZ7」レビュー(2/5 ページ)

» 2006年07月19日 09時22分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
付属のレンズフードをつけたフル装備状態。ただ、フードを付けてると内蔵フラッシュはケラれちゃうので使用不可。レンズフードをネジ止めするところがちょっと残念。あと、シャッターボタンはもうちょっと斜めの方が押しやすかったかと思う
横からフル装備状態で。本体にアダプターを付け、さらにレンズフードを装着する

 撮影最短距離は通常でワイド端30センチ。マクロ時は5センチだが、マクロは撮影モードダイヤルのマクロモードを使うという操作系なので、慣れないとちょっととまどう。テレ端では2メートルからだが、マクロモード時はテレ端のみ「テレマクロ」表示になって1メートルまで寄れる。

 ISO感度は80〜400。シーンモードの「高感度」にするとISO1600まで上げてくれるが、通常の撮影では400がマックス。2006年は被写体ブレ対策と称して高感度を標準装備するモデルが多いだけに(Powershot S3 ISやDSC-H5も)、ISO400どまりなのは残念だ。

 AFはFZ5と同様、5種類。9点測距のほか、高速3点、高速1点、通常1点、さらにスポットフォーカスが用意されている。高速3点と1点は確かにほかより速いが、精度ではちょっと劣る。シチュエーションに応じて切り替えて使いたい。

 画質は松下らしい、シャープネスがしっかりしたかっちりした絵。個人的にはシャープネスがきついかなと思う。そのせいか、ディテールがややざらつきがちだ。また増感していくとノイズ低減処理がかかってくるのでディテールがちょっと失われる。高感度時の画質はもうちょっと頑張って欲しいか。

 もうひとつ撮影時の挙動で気になったのが、プログラムAEの振る舞い。いくら光学式手ブレ補正付とはいえ、望遠端で1/200秒F5.6という露出はないでしょう(F3.3まで開けるのに)。この手のデジカメは被写界深度が深いし、逆に絞り込んだ方が解像感が落ちていく(光の回折現象による)ので、ギリギリまで絞り開放で(望遠端の場合F3.3)シャッタースピードを上げていくべきで、絞りが1段ちがえばシャッタースピードは倍(というか半分)。被写体ブレは格段に置きにくくなる。

 それがFZ7で唯一納得がいかなかった点だ。

 よって、望遠端で動物やスポーツを撮る場合は積極的に「シーン」のスポーツモードを使うべし。そうすればISO感度は早めに上がるけれども(それでもISO200まで)、できるだけ絞り開放+高速シャッターで撮ってくれるからだ。

 積極的に連写機能も使いたい。独立した連写ボタンがあり、連写速度によってLとHが用意されているが、お薦めはフリー連写。連写速度こそ少し落ちるが、高速SDメモリーカードを使っていれば残りを気にせず連写できるので結構いい。

2.5インチになった液晶と便利なジョイスティック

 操作系はFZ5と2005年秋に出たLX1のアイデアをうまく取り入れた感じになっている。

右側に集中した操作系。赤い帯がついた中央がクリックになっているジョイスティックが追加されている。メカニカルな電源スイッチはよい
撮影時の背面。液晶モニターは2.5インチと大型に。画面下にガイドが出ているが、この状態でジョイスティックを使えばプログラムシフトが容易に出来る

 電源スイッチは伝統のスライド式。オン/オフが明示的に示されるのがよい。これは続けて欲しい。背面は2.5インチの大きな液晶モニターの真上にEVF。どちらも11.4万画素と解像度はあまり高くない。

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