小寺信良
変わりつつあるクラシックカメラの世界(1/3 ページ)
今世紀に入ってからという区切りで考えると、筆者は普通の人よりもフィルムで撮るカメラを多く購入したほうではないかと思う。最初はロシアのLOMOに始まって、同じくロシアのHorizon、昨年は中国の二眼カメラSEAGULLなどを購入してきた。
この手のオモシロカメラは、現役で製造されている製品だ。これらのカメラが繰り出す若干ユルい映像感覚がデジカメ世代に受けたのか、フィルム文化が若干復活しているような感じも受ける。
ただ同時にこれらのものはまた、チープな一過性のブームのような印象も受ける。LOMOは面白いカメラだとは思うが、残りの人生全部の記録がLOMOで済むかと言われれば、そうはいかない。やはりこれは、遊びだから楽しめる「余裕」なのである。
では今、真剣にフィルムに取り組もうとするならば、どんな手段があるだろうか。筆者はそこに、「クラシックカメラ」という答えを見いだすのである。クラシックカメラは、以前から趣味の世界では根強い人気のある分野だ。ちょっとオシャレなモノ系雑誌でLeica M3をアツく語るエッセイなどを見かける機会もままある。
だがそういうものを見るたびに、どうもクラシックカメラというのは趣味として高尚で、なーんかこうロマンスグレイに口ひげ蓄えたおじさまがエビ色のチョッキかなんか着ちゃってソファに深々と腰かけながら手の中のLeicaを満足げになで回す中にもキラリと光るスルドイ視線のメガネはもちろんHOYAバリラックスII、みたいなイメージを連想してしまうのである。
だが最近はクラシックカメラにハマる層というのが、以前のおじさまの趣味とはあきらかに違ってきている。
イマドキのクラカメ道
「オンナのクラカメ道」というblogを運営する入倉絵里さんも、クラシックカメラに魅せられた一人である。これまでに入手したクラシックカメラは30~40台。使わないものは手放してしまうが、手元には多いときで10台ぐらいのカメラがあるという。
元々はライターだったという入倉さんだが、筆者と知り合った頃はライブドアのニュースサイトである「livedoorコンピュータ」の編集長をされていた。現在はライブドアを退職されている。
前出のように、クラシックカメラと言えばLeica、Leicaといえばおじさまと連想しそうだが、入倉さんがクラシックカメラ目覚めたきっかけは、いま多くの人が感じつつあるところなのではないだろうか。
「仕事のレビューでデジカメとか書くことが多くて、さんざん借りるわけですよ。だいたい私はコンパクトデジカメとか一眼では入門機モデルのあたりを書くことが多かったんですけど、なんか疲れて来ちゃった(笑)。いっぱい並べば並ぶほど、差が見えなくなって来ちゃって。今度は画素数が400万画素が500万になったとか、まあちょっと色が違ったり形が違ったりする程度で、『あと値段じゃない? 普通の人が買うとき』 みたいな」(入倉さん)
そんなときに、クラシックカメラの世界と出会う。
「でもなんか違いを見つけて記事を書かなきゃいけないときに、普通のカメラ雑誌とかも読むようになったんです。撮り方とかの参考になるなと思って最初は見てたんですけど、昔のカメラの写真とかが載ってるわけですよ。へえ、こんな形のがあるんだとか、こんなんでどうやって写真撮るんだとか興味が出てきて、じゃあそういうカメラ屋さんに一度行ってみようかなぁと思ったのがきっかけですね」(入倉さん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Excel、40年続く原則を変更へ 1個のセルで複数の値を扱う新機能
-
2
「タイムズカー」会員情報約660万件漏えい 運転免許画像など 不正アクセスで
-
3
Ankerの回収対象モバイルバッテリーで発火事故 25年度も7件、消費者庁が注意喚起
-
4
クリスタ素材非公開、セルシスに詳しく聞いた 「英国政府とは無関係」……決済事業者は?
-
5
OpenAI、最上位モデルのツール使用を伴う学習・評価・推論を全て停止したと発表
-
6
カカクコム、KDDIとの資本提携を解消 TOBで資本構造が変化 業務提携は継続
-
7
「スマホ注文なのに客用Wi-Fiがない」のはなぜか? 導入しない飲食店側の事情
-
8
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
9
東京メトロ、不正アクセスで会員メアド約5万9000件漏えいのおそれ 海外からか
-
10
タイムズカー、会員の免許情報や本人確認書類が漏えいの可能性 不正アクセスで
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR