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“加湿+除菌イオン”の合わせ技、シャープの空気清浄機

» 2006年08月10日 17時06分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 シャープは8月10日、除菌イオンと加湿機能を組み合わせた“加湿空気清浄機”を発表した。加湿を同時に行うことで、除菌イオンのハウスダスト除去効果が向上するほか、繊維の奥に浸透したニオイまで抑えることができるという。ラインアップは、16畳までの広さに適した「KC51C1」と12畳までの「KC-35C1」の2機種で、価格はいずれもオープンプライス。9月1日から順次発売する予定だ。

photophoto 左は16畳までの広さに適した「KC51C1」。右が12畳までの「KC-35C1」。本体カラーは下表を参照
型番 KC-51C1 KC-35C1
適用面積 26平方メートル(最大16畳) 20平方メートル(最大12畳)
最大加湿量 600ミリリットル/時間 450ミリリットル/時間
最大風量 5.1立方メートル/分 3.5立方メートル/分
本体カラー シルキーホワイト、コスメティックベージュ ピュアホワイト、アクアブルー、ピュアブラック
実売想定価格(※1) 5万円前後 4万円前後
発売日 9月1日 9月8日
※1:価格はオープンプライス
photophoto 縦のラインが綺麗な外装は、スカートのひだをモチーフにしたという「ドレープデザイン」。波状の凹凸は「汚れが流れ落ちるイメージ」(同社)だ

 新製品のコンセプトは「ハウスダストと生活臭への対策」だ。ハウスダストは、カビの胞子やタバコの煙、細かく砕けたダニの死骸など、目に見えない1ミリ以下の小さなホコリのこと。アレルギーを引き起こす原因(アレル物質)の約8割がハウスダストとされている。「ハウスダストは、一度室内に舞い上がると8時間程度は浮遊を続ける。人が1日に呼吸する空気の中には、ハウスダストが約260億個も含まれるという」。

 気化方式の本格的な加湿機能を搭載した新製品では、ボタン1つで「加湿+除菌イオン」をシャワー状に放出する。十分な湿度があると、プラズマクラスターイオン(除菌イオン)の周りに水分子が集まり、除菌イオンそのものが大きくなる。これにより、アレル物質の浄化力が向上するほか、除菌イオンの電荷が安定してイオン自体の寿命が約2倍に延びるという。

 「加湿空気清浄機なら、空気を浄化するスピードは従来の約2倍、脱臭スピードは約3倍、静電気除去能力は約3.5倍になる。従来とは格段の差」(同社)。

photo 加湿による浄化力アップの仕組み

 さらに、従来の除菌イオンでは不可能だった“繊維の奥に浸透したニオイ”に対する効果も確認されたという。日本紡績検査協会が行った実験では、約5畳の室内にタバコのニオイを染みこませた布片を置き、空気清浄機を運転したところ、2時間後には何のニオイか分からない程度にまでニオイが抑えられた。

 空気清浄機本体には、アレル物質やウイルスをキャッチするHEPAフィルターにくわえ、洗って繰り返し使える脱臭フィルター、抗菌・防カビ仕様の加湿フィルターを装備。また、過度の加湿や湿度不足を防ぐため、独自のオートダンパー構造による風路制御システムが搭載されている。内蔵センサーが室内の湿度を監視し、60%に満たないときは加湿運転を行うが、60%を超えるとオートダンパーが作動して加湿フィルターを通らない風路に切り替える仕組みだ。

 プラズマクラスターイオン発生器は従来より小型化され、消費電力を抑えた。たとえば24時間365日運転し続けた場合、1年間の電気代は約640円(除菌イオン+加湿、弱運転時)。これは、同社製の加湿機(HV-T50CX)と空気清浄機(FU-T51CX)を同時に運転した場合の5分の1に相当するという。

photophoto 左は静電気除去実験(左)。加湿空気清浄機のシャワーにしばらくあてると向かって右側のように静電気が除去される。右は、オートダンパーの動作デモ。湿度60%を境に写真の黄色い部分が上下して風路を切り替える

 外形寸法は、「KC51C1」が400(幅)×237(奥行き)×582(高さ)ミリ、重量は約8キロ。「KC-35C1」は360(幅)×205(奥行き)×533(高さ)ミリ、約6.7キロとなっている。

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