米Microsoftから7月22日(日本時間)に発表された「Zune」。iPodに対抗するための携帯音楽プレーヤーともいわれているが、現時点で明らかになっている事実はそれほど多くない。ならば勝手に予想してしまおう――というのが今回の話だ。
まず、Zuneについての情報を整理しておこう。各報道によれば、Zuneは単なるプレーヤーの名称ではなく、音楽配信を始めとするエンターテインメントサービス全体のブランド名であり、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたプロジェクトであるらしい(関連記事1)、(関連記事2)。
では、これをふまえて予想してみよう。
プレーヤーのOSに関しては、同社自身が携帯機器向けのWindows Mobileを開発しており、東芝のgigabeatなどでも既に採用されているので、当然これを利用することになるだろう。ただ、既存の製品と同じ機能しかないのではつまらない(というか意味がない)ので、gigabeatが国内限定でワンセグを搭載してきたように、何らかの独自の部分を用意してくるはずだ。
その独自部分はどういった機能になるか。やはりそれには無線LANの搭載が1つの鍵になるだろう。無線LANを搭載するということは、インターネットに接続が可能だということである。となれば、まずはZune端末単体での楽曲購入が可能になるべきだと筆者は考える。
今のところ、音楽プレーヤーでこれを実現した製品は少なく(MusicGremlin http://www.musicgremlin.com/ ぐらいだろうか)、逆にそれを実現した携帯電話では、着うたフルという「いつでもどこでも楽曲がすぐに購入できる」サービスが人気を得ている。いまだにiPodも通信機能は搭載していないのだから、これは大きなアドバンテージになるだろう。
直接楽曲を購入するだけでなく、無線LANを使えば、別のユーザーのZune端末ともコミュニケーションをとれるだろう。そうなると、他人の音楽ライブラリをのぞいてみたくなる。もちろん、誰彼構わず見られるのは問題だが、指定したユーザーのライブラリやプレイリストを共有できる機能というのがあったら面白い。
iTunes Music Storeで有名人のプレイリストが公開されたり、今聴いている楽曲をリアルタイムに公開するサービス(Playlogなど)があるなど、他人が聴いている曲を気にしている人は意外と多い。他人のプレイリストを見て、そこにあった気になる曲をそのまま端末から購入できたら便利そうだ。
このまま話を進めて、楽曲の貸し借りもできるとうれしい。前述のMusicGremlinでは、Windows Media DRM 10を利用することで、有料ユーザー間で楽曲の転送(貸し借り)ができる。ただ、この考え方だとサービスから退会するとその時点で聴けなくなるので、それも手軽じゃないなぁ、というのが個人的な感想。
月額料金は不要で、他人の端末からはストリーミングで楽曲を再生できる機能はどうだろう。あまり自由度が高いすぎると各所から文句が来そうだが、Zune端末同士だけのクローズドなサービスとすることで何とか認められなだろうか。あくまで「この曲サイコー! 聴いてみてよ」みたいな使い方になりそうだし、まさに口コミだ。30秒しか聴けない視聴なんかより、はるかに購買意欲をそそられる。
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