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「REGZA」投入でシェアは改善した?――東芝

» 2006年08月23日 19時14分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 既報の通り、東芝は8月23日に薄型テレビ「REGZA」の新製品を発表した。発表会場になった都内のイベントスペースには、およそ一年ぶりのフルモデルチェンジとなる「Z2000シリーズ」をはじめ、3ラインアップ6サイズ12モデルが一堂に会した。

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 挨拶に立った東芝デジタルメディアネットワーク社副社長の新倉諭氏は、まずZ2000シリーズについて「画質、デザイン、そして環境に対してこだわりを持ったテレビ。そして前回まではあまりなかったが、今回から最新パネルの選択にも注力した」と話す。Z2000シリーズでは、32V型を除く3モデル(47V/42V/37V型)に1920×1080ピクセルのフルHD対応IPS液晶パネルを採用し、そのほかの製品ラインもほとんどがIPSパネルだ(C2000の23V型のみVA方式)。

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 「国内のフラットパネルディスプレイ構成では、40型未満で9割が液晶、40〜50型でも液晶が急拡大している。われわれの方向性は間違っていないと思う」(同氏)。

 画質やデザインに関しては別記事に詳しいが、発表会では東芝デザインセンター映像機器デザイン担当グループ長の伊豆祐一氏と、画造りを担当したデジタルメディアネットワーク社テレビ事業部TV設計第一部第二担当の松尾多喜男主査が、それぞれのコダワリを語った。

photophoto 東芝デザインセンター映像機器デザイン担当グループ長の伊豆祐一氏と、画造りを担当したデジタルメディアネットワーク社テレビ事業部TV設計第一部第二担当の松尾多喜男主査。右は新しい台座の3D CADデータ

 たとえばZ2000では、細めのフレームの下に薄型の「ジェットスリットスピーカー」を配置したことで、スピーカーの存在をあまり感じさせないスタイルを実現できたという。また“硯”のような「マットストーンブラック」は無駄な反射を抑え、台座部の「アルミニウムシルバー」の質感と画面の対比により「上質なインテリア」(伊豆氏)になるとしている。「薄型テレビというと、デザインの余地が少ないと見られがちだが、実際にはフレームの厚みを数ミリ変えるだけで印象は大きく変わってしまう。Z2000シリーズでは、ミニマルデザインの簡潔な形の中で高級感と緊張感を表現したかった」。

 一方の松尾氏は、新メタブレイン・プロ開発時のメモなどを見せつつ、画質調整のために何千ものパラメータを最適化した作業を紹介。「テレビ造りは単にモニターを造ることではない。本質は画質。今回はいかに質感を表現するかにこだわった」としている。

 このほか、省エネ、省資源、環境関連物質の削減といった「環境対応」も新製品のポイントだ。たとえば年間消費電力量は従来機種と比べて32%減、本体質量は14%減、パッケージの緩衝材使用料は26%減、ネジ17%減。さらにJ-Moss対応としてグリーンマーク(環境物質の非含有マーク)を表示する。

 東芝では、新ラインアップの投入により、26V型以上の大型液晶テレビ分野で国内シェア15%以上を目指すという。「昨年までは2桁に届かなかったが、4〜7月は12%となり、まずは3位グループに入った。海外でも、たとえばサッカー・ワールドカップのあったドイツでは9%まで上昇、英国でも8%など、REGZAブランドを投入してから改善が進んでいる」(新倉氏)。

 なお、ワールドワイドのシェアに関しては「国によって第3社のデータが入手できない」ため算出していないが、「推定では10%の目標に対し6〜7%になっていると思われる」とした。

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