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れこめんどDVD「心霊写真奇譚」DVDレビュー(2/2 ページ)

» 2006年08月25日 00時00分 公開
[サトウツヨシ,ITmedia]
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 第1話「被写体のない写真」(寺内幸太郎監督・共同脚本)は、心霊実話再現テイストのオーソドックスな展開。「参ったなあ、道に迷っちゃった。あの人に聞いてみよう」って遠目にも明らかに首つり死体。「オレ、助けを呼んでくる」「せっかくのハイキングかこんなことになるなんて」「私、ちょっと見てくる」など定番の展開が気持ちいいです。

 第2話「見ている」(山本清史監督・脚本)は、出てくる心霊写真がシュール。合唱コンクールの写真が全員、私の方を向いている。って、そのとき全員の首の骨がツポポポキーン(by 竹中直人)って聞こえてきそうです。実際にどこかの校舎で撮影されたという、懐かしー雰囲気がもう少しあれば。「エレファント」みたいに撮ってほしかった、ってなんだそりゃ。

 第3話「思いでのポラロイド」(白石晃士監督・脚本)は、ワンシチュエーション、手持ちカメラ、即興演出もの。両親が留守中の一軒家が舞台。近野成美の個性を活かしつつ、最後はバイオレンスへと突入、カメラとテレビが映した、邪悪なモノとは、てな感じで盛り上げる。1日で撮了というスタッフの勢いも納得。

 第4話「望遠男」(寺内幸太郎監督)は、乱歩の「押繪と旅する男」的な窃視(せっし)癖の男…。ってまあ、カメラによるストーキング行為に情念がこもってさあ大変、というちょっと悲哀のある話。味のある四畳半のアパートや設定は、「Initial イニシャル〜岩井俊二初期作品集〜」収録の「夏至物語」からの影響も見たり。

 第5話「届けられたモノ」(白石晃士監督・脚本)は、前出の「霊のうごめく家」「呪怨」メソッドを踏襲している感じ。差出人不明の封筒に、見知らぬ家族の古い写真。写真に目を落としたヒロインの背後にユラリ。結構、怖い。まさにドリフの「志村あー後ろおー」状態なのです。

 本作は、「コアラ課長」「ヅラ刑事」などで知られるトルネード・フィルムが製作。アイドル携帯サイトも運営するフォーサイド・ドット・コムが版権を持っています。心霊実話ものとアイドルとの素敵な出会いに今後も期待、でございます。

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