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コーヒーのCMで“宇宙人ジョーンズ”としてすっかりお馴染みになったトミー・リー・ジョーンズ。「逃亡者」「メン・イン・ブラック」「スペース・カウボーイ」などで知られる、いぶし銀俳優が主演&初長編監督を務めた本作は、2005年カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞。また「アモーレス・ペロス」で衝撃的なデビューを果たした脚本家ギジェルモ・アリアガも同賞の最優秀脚本賞を獲得した。男泣き必至のロードムービーが、9月8日にスペシャル・エディションとしてDVDリリースされる。
特典映像は、ジョーンズの妥協を許さない演出が垣間見られるメイキングや、音楽メイキングなど約30分を収録。
メキシコからアメリカへの不法入国が後を絶たないテキサス州の国境地帯。国境警備員のマイク(バリー・ペッパー)は、メキシコ人カウボーイのメルキアデス・エストラーダ(フリオ・セサール・セディージョ)を誤って射殺してしまう。
メルキアデスが不法移民であったために、事件は秘密裏に処理されようとしていた。メルキアデスの親友ピート(トミー・リー・ジョーンズ)は、怒りと悲しみに暮れる中、ある約束を思い出す。「俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてくれ」。
ひょんなことから、メルキアデスがマイクに殺されたことを知ったピート。メルキアデスを彼の故郷ヒメネスに葬ってやるため、マイクを拉致し、墓地に埋められていた遺体を掘り起こし、メキシコへの旅に出発するのだった。
男と男と死体、このメキシコへの3人旅は、人種偏見と贖罪、相互理解といったテーマが盛り込まれているが、現実味とトボけた笑いとほろ苦さを同居させたジョーンズの演出は、とても初監督作とは思えないほどの手腕。
また、渓谷や砂漠など雄大な風景も素晴らしい。テキサス出身のジョーンズと、メキシコ出身のアリアガのタッグでなければ、この映像美は捉えられなかっただろう。
亡き親友との約束を果たそうと、メキシコを目指してひたすら進む男の中の男、ジョーンズ。逃亡しないように縄でつながれ、死体のそばで眠るように強要されるなど、残酷な仕打ちを受けながらも、やがて仁義や友情、人生をも学んでいく国境警備員をバリー・ペッパーが捨て身の好演。
正直、渋い作品だが、ジョーンズの何とも味のある意欲作を是非とも受け止めてほしい。
関連サイト:http://www.3maisou.com/(公式サイト)
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