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» 2006年09月06日 11時00分 公開

ハイビジョン作品を“買う”楽しみ麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(2/4 ページ)

[西坂真人,ITmedia]
photo 「ニュー・シネマ・パラダイス」のデモを上映していたパイオニアBD-ROMプレーヤー試作機

――現在、放送や通信などハイビジョンを享受する手段はいろいろあります。BDやHD DVDなどディスク形態の次世代DVDパッケージコンテンツが果たす役割とは?

麻倉氏: これまでを振り返ると、ユーザーニーズとテクノロジー進み方がリンクして新しいフォーマットが出てくるという歴史でした。1975〜76年にVHSやベータが登場し、最初はタイムシフト的な使い方でしたが、それが映画コンテンツのキャリアになりうるメディアということで一気に普及しました。ところがこれらテープメディアは映像の質が今ひとつで、音声も最初はモノラルでした。映像ファンがのめりこむきっかけを作ったのは、やはりレーザーディスクでしょう。1981年の9月からスタートしたのですが、レーザーディスクも最初から熱狂的に受け入れられたわけではなくて、一般の人はVHSで十分だったのです。

――レーザーディスクが、光ディスクカルチャーの原点というわけですね。

麻倉氏: レーザーディスクは、VHSが水平解像度240本の時に、400本という水平解像度を誇っていました。これは当時の一般的なブラウン管テレビからするとあきらかにオーバースペックなのですが、例えばソニーの「プロフィール」などで見るとVHSの映像とは明らかに異なっていました。そして1984年にはレーザーディスクにCD音声が入り、ここで映像・音声がハイクオリティな“AVの世界”に名実ともに入っていきました。

 AVファンにとってはディスクの形態というのが重要なファクターで、これがテープだったら仮に同じような映像・音声のクオリティであったとしてもコレクションの対象にならなかったのではないでしょうか。

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麻倉氏: ディスクはSP盤〜LP盤の時代から手に取って愛でることができたり、手になじんだりするところに良さがあります。コレクションするという行為が、自分の精神生活を豊かにするのですね。その意味で、AVカルチャーにとってディスクという形態は非常に重要なのではとレーザーディスク全盛時から感じていました。それがDVDの時代になって、水平解像度は500本となり、音声は2chがリニアPCMで5.1chはドルビーデジタルとなったことで、一般ユーザーにホームシアターというカルチャーを育んだのです。

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