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» 2006年09月20日 16時06分 公開

「まったく新しいディスプレイなんです」――リアプロTVのコンソーシアム設立

有沢製作所、セイコーエプソン、Texas Instruments、日本ビクターの4社が、マイクロデバイス・ディスプレイ(MDDP)の普及・啓蒙を目指す「マイクロデバイス・ディスプレイコンソーシアム(MDDPC)」を設立。大画面テレビ市場で苦戦するリアプロTVのてこ入れとなるか?

[ITmedia]

 有沢製作所、セイコーエプソン、Texas Instruments、日本ビクターの4社は9月20日、マイクロデバイス・ディスプレイ(MDDP)の普及・啓蒙を目指す「マイクロデバイス・ディスプレイコンソーシアム(Micro Device Display Consirtium:MDDPC)」を設立したと発表した。コンソーシアムによる共通の活動によって、MDDPの特徴や優位性を広くアピールしていくという。

photo コンソーシアム設立発表会に集まった4社
photo 発表会で展示されたMDDP

 MDDP=マイクロデバイスを使ったディスプレイとは、DLP/LCD(HTPS)/LCOSといった表示デバイスを使ったリアプロジェクションTV(リアプロTV)を指す。今回のコンソーシアムの名称も含め、各社が“リアプロ”という言葉を避けるのは、従来のCRT管を使ったリアプロの「暗い」「大きい」「画質がイマイチ」というネガティブな印象を払拭したいからだ。

 発表会の冒頭、日本ビクター理事技術開発本部DPユニット長の中垣新太郎氏は「1インチ以下の小型デバイスで50〜100インチ超の大画面を実現できるMDDPは、(プラズマ/液晶といった直視型に比べて)高画質な大画面が簡単に実現でき、しかも軽量でスタイリッシュ。スクリーンサイズに関わらず消費電力は200ワット前後と省電力で、さらに製造エネルギーも少なくて済むなど環境への負荷が非常に少ない。これは、単にCRTデバイスからマイクロデバイスに置き換わったというのではなく、まったく新しいディスプレイといえる」と語る。

 米国では、40インチ以上の大画面テレビとしては液晶/プラズマよりも高い普及率を誇る“スタンダードなテレビ”として認知されているリアプロTVだが、近年のプラズマテレビの低価格化によって、大画面テレビでの地位が脅かされつつあるのが最近の現状だ。

 それでもMDDPに関しては、統計数値上では依然として伸長し続けている。だが、「一部のリサーチ会社の消極的な市場予測などによって、今後は(プラズマ/液晶など)フラットパネルにおされて市場が減衰していくのではという見方が出ている」(中垣氏)といった逆風が吹いているのも事実。「最近の消極的な市場予測を懸念し、MDDPのよさを正しく伝えることが必要との機運が高まった。1社が叫ぶよりも、業界一体になって、MDDPの特徴、優位性を知ってもらい、ユーザーが正しい知識で選んでもらえるようにコンソーシアムを設立した」(中垣氏)

 実際の活動としては、本日9月20日より、コンソーシアム参加企業の募集を開始するほか、MDDPの特徴や優位点をわかりやすくまとめたパンフレットの作成・配布、MDDP共通資料&シール・POP作成、MDDPウェブサイトの開設、省エネラべりング取得と省エネ性能カタログへの掲載などを予定しているという。幹事会社となる4社のほか、SCRAM Technologies、3M Company、日本サムスン、Luminus Devicesの4社が賛同会社として決定している。

ソニーは様子見?

 幹事会社を見渡すと、リアプロTVの主要部品であるフレネルレンズを手がける有沢製作所は別にして、3LCD(HTPS)のセイコーエプソン、DLPのTexas Instruments、LCOS(D-ILA)の日本ビクターと、MDDPの主要デバイスメーカーはひととおり揃っているかに見える。だが、LCOS系のSXRDと3LCDという2つのデバイスを使い分けつつ製品をラインアップするソニーの姿が見えない。「ソニーにも声はかけたが、本日時点までにコンソーシアムの参加はなかった」(中垣氏)

 プラズマ/液晶といった直視型ディスプレイに比べて、大画面になればなるほどインチあたりのコストが安くなるリアプロTVは、大画面時代にふさわしいディスプレイとして期待され、昨年まではセイコーエプソン、ソニー、三菱電機、三洋電機、日本ビクターなど各社から新製品が登場していた。だが、今年はソニーのBRAVIAで2機種の新製品が登場したほかは、日本ビクターがフルHD対応リアプロ“ビッグスクリーンエクゼ”のラインアップに52V型を追加したのみと、やや寂しい状況となっている。

 「低消費電力、高画質、高精細、スタイリッシュ、光源交換でリフレッシュできるといったこれまでのMDDPの特徴に加えて、近い将来には光源をランプからLEDやレーザーに置き換えることで、色再現性の拡大/光源の長寿命化/クイックスタート/光学エンジンの軽量化と小型化といった進化が期待できる。さらに薄型で高性能なMDDPが今後登場するだろう」(セイコーエプソンTFT事業部TFT設計技術部長の小池啓文氏)

photo 発表会ではサムスンが7月に北米で発売したLED光源の56V型DLPリアプロTV「HL-S5679W」が展示。ランプを使った従来タイプの欠点であった始動時の遅さがなくなり、10秒以内でフル輝度の映像が現れる。消費電力もランプタイプと同じ200ワットと、LEDで懸念されていた消費電力の高さの問題も払拭されている。LEDによる輝度低下もそれほど感じられず、逆に色再現性の高さはLEDならでは

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