デジタル放送の2番組同時録画が可能な製品は既に珍しくないが、本製品が特徴的なのはまずダブルチューナーであることを意識させない点。実際、「2つのチューナーを切り替える」という操作は存在せず、録画中でも、もう片方のチューナーが空いていれば視聴番組を自由に選択できる。2つの番組を録画している間は、録画中の2チャンネル間を行き来することが可能。このあたりは、初代「どっちも録り」である「DMR-EX220/330」から継承されたものだ。
2番組同時録画は少々変則的で、デジタル放送のストリーム録画(DRモード)同士か、デジタル放送のストリーム録画+アナログ放送でのみ可能だ。デジタル放送は劣化のないストリーム録画が基本という考え方もあるのだろうが、DVDメディアへの高速ダビングを前提にデジタル放送をMPEG録画することが多い人にはあまりダブルチューナーの存在意義がないともいえる。デジタル放送のMPEG録画中は視聴チャンネルの切替すらできないといった制限もあり、デジタル放送はハイビジョンのまま録画してくださいね、という仕様だ。
ただし、録画予約機能に関しては改良も進んでおり、デジタル放送の同一番組を同時録画することが容易になった。既に録画予約済みの番組を番組表から選択すると、「番組予約へ」「予約修正」「予約取り消し」の選択が可能になっており、「番組予約へ」を選択すると録画予約済みの番組をさらに録画予約できる。マニュアルを読んでおかないとわかりにくいが、一度理解してしまえば分かりやすいユーザーインタフェースだ。
電子番組表は、最大9チャンネル6時間分の表示が可能なハイビジョン仕様のラテ欄タイプ。「EX」型番のモデルから大きな変更はない。ただし、1つの放送局で1つのチャンネルのみといった表示の絞り込みはできず、実質は4〜5放送局×6時間が最大の表示量となる。現状においては民放のほとんどは複数チャンネルを活用していないので、カスタマイズという形で1放送局1チャンネルという表示を可能にしてほしいところだ。
大きく改善が進んだのが、録画番組の管理機能だ。従来製品ではストリーム録画とMPEG録画が別々の一覧となっていたが、本製品では「ビデオ」タブとして1つに統合。1画面10番組とわずかながら一覧性も向上し、(従来製品では9番組)、ハイビジョン表示を前提に文字サイズを小さめにすることで、番組名もより多く表示できるようになった。
またフォルダ管理に準じる機能が利用できる点も新しい。「まとめ表示」と呼ぶ機能が追加され、毎週、毎日といった繰り返しの予約録画を行なった場合、複数の録画番組は一覧上で1つにまとめられる。番組名の左に「まとめ」マークの付いた番組を選択すると、まとめられている番組の一覧が表示され、任意の録画番組を選択して再生などの操作が行える仕組みだ。また「まとめ」マークのついた番組にフォーカスして再生ボタンを押すと、まとめられている録画番組が連続再生される。
まとめられた状態で全番組を一覧表示、つまり従来機種と同様に一覧表示を行うことも可能だし、手動操作で任意の番組をまとめたり、逆に任意の番組を解除することもできる。実質的に自動化の進んだフォルダ管理機能といえるが、初期設定で繰り返し録画を行った番組が自動でまとめるようにすることで、ユーザーはそれと意識することなく、まとめ機能を活用できる。多くの人にとっては(少なくともDIGAのユーザー層にとっては)初期設定のままの利用で必要十分だと思うし、実際に使ってみても便利だ。
エポックメーキング的といえば、やはり遂に番組毎レジューム再生が可能になったことだろう。「続き再生メモリー」と呼ばれ、HDDに録画した番組は全て前回再生停止位置からの再生が可能になった。今さら感は否めないものの、「DIGAはこれだけがネック」と指摘する人も多かっただけに大きな改良点といえる。
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