昨年末に発売したニコン「D200」は、1020万画素CCDを搭載した多機能機ながら、実売20万円を切る低価格が当時としては画期的だった。いまだにD200は人気機種のひとつであり、写真愛好家やプロカメラマンからの高い支持を得ている。
そのニコンが今年9月に、同じく1020万画素の中級機「D80」を発売した。CCDのほか、ファインダーや液晶モニタ、AFなど主要な装備をD200から継承しつつ、さらなる小型軽量化と低価格化を実現している。他社からも1000万画素オーバーの低価格機が登場した現在では、D80のスペック自体に特に驚きは感じない。
だからといってD80が平凡なカメラというつもりはもちろんない。このインタビュー連載は個人的に気に入ったカメラしか取り上げない。D80は、ぜひ開発者に話を聞きたいと感じた、最近のお気に入り機種である。画質や操作感のレビューは後日掲載する予定だが、その前にD80の開発者インタビューをお伝えしよう。
話をうかがったのは、D80の商品企画およびプロジェクトの推進を担当したニコン マーケティング統括部 第一マーケティング部 第一マーケティング課 副主幹の中村良夫氏と、メカニカルな設計および設計全体のまとめ役を担当した同社 開発統括部 第一設計部 第二設計課 主幹の若林勤氏の2名である。
――D80の開発はいつごろ始まったのですか?
若林氏:D80の企画は、2004年の秋ごろから「D70s」と平行して徐々に始まりました。本格的な設計に入ったのは2005年の春からです。
――エントリー向けの製品という位置付けですか?
中村氏:性能的にはD70sのワンランク上で、位置付けは中級機になります。当社では、エントリーモデル、ミドルモデル、プロフェッショナルモデルという分け方をしていますが、D80はそのミドルモデルに該当します。
ファミリー層を中心としたエントリーユーザーには「D50」を提供し、D80はどちらかといえば写真をたくさん撮る人、写真を趣味にしている方々がターゲットです。そんな人に常に持っていただき、楽しめるカメラを目指しました。ちなみに「D200」も同じく中級機ですが、D200は写真好きの方の中でも、機材そのものにより興味が高い人を想定しています。
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