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インタビュー
» 2006年09月27日 10時04分 公開

永山昌克インタビュー連載:使い心地にこだわった中級デジ一眼――「D80」の開発者に聞く (2/4)

[永山昌克,ITmedia]

――発売時期や画素数が近いため、エントリー機のキヤノン「EOS Kiss Digital X」やソニー「α100」と比較されることが多いですが、それは本意ではないということですか?

中村氏:他社のことはなんとも言えませんが、当社としてのエントリー機はD50です。D80の商品性はもう少し上を狙っています。

ボタン操作で素早く拡大再生ができるなど、操作性の一部にも従来からの改良が行われた。またメニューのカスタマイズにも対応する

ゴミやホコリの吸着を防ぐ工夫

――最近のトレンドから見て、D80にゴミ除去機能がないことと、標準では手ブレ補正に対応しない点は、アピールとして弱くないですか?

若林氏:ゴミに関しては、一応対策を図っております。まずローパスフィルターは、ローパスの表面と実際に撮像する面との間隔を、ゴミがはっきりと写らない程度に確保しています。これは、D200と同等の距離です。また、ローパスフィルターが帯電しないように、静電気を防ぐ工夫もしています。

 ゴミには、レンズ交換など使用中に入り込むゴミやホコリ以外に、部品の磨耗によって生じる粉もあります。そこで、D80ではシャッターや絞りの制御、ミラーの駆動など可動する部分には、磨耗の粉が極力出ないような処理をしています。また磨耗の粉は、動き始めに出やすいので、慣らし運転、つまりエイジングを所定回数行ってから、それぞれのユニットをカメラの中に組み込んでいます。

 さらに、ローパスフィルターの回りにはゴミを吸着する部材を置き、周辺から寄ってくるゴミや、一度落ちたゴミが再度フィルターに付かないように工夫もしています。従来から少しずつ積み重ねた、こうしたゴミ対策のノウハウをD80に取り入れています。

――ゴミを振るい落とすメカ的な機構は採用しないのですか?

若林氏:他メーカーのようなゴミの落としの機構も、当社として検討していないわけではありません。しかし、ただ搭載するだけでは意味がありません。どういうふうにすればゴミがよく落ちるのか、十分に効果があるレベルを見出す必要があります。今後搭載するかどうかは未定です。

――手ブレ補正については、レンズ側での補正以外に、ボディ内の補正の検討もしているのですか?

若林氏:当社では、そもそもフィルムカメラの時代に防振を実現していましたので、交換レンズの内部に補正機構を組み込む方式でこれまで進めてきました。デジタル化の時代になり、撮像素子側で補正するというアイデアも生まれました。そのどちらが有効かを検討しましたが、補正の効果はレンズ側補正のほうが高いといえます。

 レンズ側補正では、例えば望遠なら望遠用、広角なら広角用というように、カメラに装着した交換レンズに適した防振制御ができるため、より優れた補正効果があります。さらにファインダーでも像のゆれを低減できるため、一眼レフ機にとって最適な防振システムと考えています。逆にボディ側補正では、ボディ内に補正機構が画一的に組み込まれ、レンズ側の情報をどこまで取り込めるかという問題が残ります。

 今後、ボディ側に搭載したほうがお客様にとって有利という判断になった場合には、その可能性がないとはいえませんが、現時点ではすべてレンズ側で対応できれば、今のシステムとして一貫していると考えます。

中村氏:D80のレンズキットは、手ブレ補正を積むことよりも、小型軽量と低価格を優先して企画したものです。手ブレ補正を求める方には、キット販売ではありませんが、シャッター速度に換算して約4段分の補正効果を持つ高倍率ズーム「AF-S DX VR Zoom Nikkor ED18-200mm F3.5-5.6G(IF)」を用意させていただいています。

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