ITmedia NEWS >
レビュー
» 2006年10月13日 00時50分 公開

レビュー:ノイズキャンセリングで武装した高音質ウォークマン――「NW-S703F」 (2/3)

[渡邊宏,ITmedia]

アルバム画像で検索のスピードアップ

 本製品は既存製品と同様にATRAC/WMA/MP3/AACの圧縮フォーマットに対応するほか、ATRAC Advanced LOSSLESSとリニアPCMのロスレスフォーマットへも新たに対応した(WMAとAACについてはDRM処理されていないファイルのみ対応)。

 付属する転送ソフトはこれまで同様の「SonicStage CP」だが、アルバムアート転送機能が追加され、バージョンは4.1へとアップした。基本的な機能は4.0から変更されていないが、画面右上に音楽配信サイト「Mora」と「ミュージックコミュニティ」(PLAYLOG)へのボタンが用意されている。

photo SonicStage CP 4.1

 アルバムアートを転送するには、アルバムアートを用意する必要がある。Moraから購入した楽曲については画像データが添付されているが、自分でCDリッピングした楽曲についても、アルバムを右クリックして「ジャケット写真/関連情報検索」を選択するとAmazon.co.jpからアルバムアートを自動的に探してくれる(見つけられない場合もある)。見つからない場合には自分で任意の画像が設定可能だ。

photo アルバムアートが設定されているアルバムには、それぞれのアルバムアートを縮小したアイコンが表示される

 転送が完了すれば再生が行える。操作インタフェースはNW-E400/500、A600系と変わらず、ジョグシャトルでトラック/アルバムの送り/戻しを行い、ジョグシャトル下部のボタンで再生停止と音量調整を行う。

 既存モデルでは音量調節ボタンがボディの肩部分に設けられていたが、本製品では再生/停止ボタンと一体化している。操作する際に、本体を握り込んだまま親指をスライドさせるという動線は変わらないが、動かす距離が短縮されているため、より快適に操作できる。

photo

 側面に用意されているボタンをワンプッシュすると画面表示切りかえ(アルバムアート表示/詳細表示/時計/スクリーンセーバーの4パターン)、長押しするとメニューが現れる。本製品のメニューで特徴的なのが、カラーディスプレイを活用した「Jacket Search」だ。

 Jacket Searchを選択すると画面に3つのアルバムアートが並び、そこから視覚的にアルバムが選べる。ディスプレイの解像度が低いのでアルバムアートが鮮明に映し出されるとはいえないが、どのアルバムかを区別するには十分なレベルだ。サーチ自体の動作も機敏で、快適な検索が行える。

 アルバムアートの設定されていないアルバムについては、青いウォークマンロゴで表示されてしまう。アルバムアートがもとから存在しないポッドキャストなどを転送すると区別が付きにくいが、自分でちょっとした画像を作って設定すれば、一変して非常に分かりやすい分類方法となる。工夫次第でいろいろと楽しめそうだ。

photophoto 視覚的にアルバムが選択できる「Jacket Search」。アルバムアートの設定されていないアルバムについては青いウォークマンロゴで表示される(右写真、一番右のアイコン)

 肝心の音質だが、既存ウォークマンとは別物ともいえるクオリティだ。13.5ミリの大口径ドライバユニットを搭載したヘッドフォン(MDR-NC022)が組み合わされている影響も大きいが、高音から低音までよどみなくスムーズに再生し、アコースティックギターの弦をこする細かなニュアンスやフェードアウト時の余韻までも伝えてくる。

 傾向としては低音の再現性に重点を置いているように感じられるが、これは味付けの範囲内だろう。過度なブースト感はないが、気になるようならばイコライザーでベースを少々リデュースしてやるといい。

photo 付属ヘッドフォン「MDR-NC022」。無数の細かな穴が見えるが、これはノイズキャンセル用マイクの集音穴

 新たに設けられた、ステレオの左右チャンネル信号を分離する「クリアステレオ」(標準設定でオン)の効果も高い。オフにすると解像感が低下し、音全体が濁った印象になってしまう。Heavy/Pop/Jazz/Uniqueの各イコライザー(カスタム設定も可能)とバーチャルサラウンド機能も備えているが、どれも味付けはかなり“濃いめ”なので通常の利用時はノーマルで構わないと感じた。

 ちなみに、筆者は現行製品の「NW-E002」「NW-S203F」を利用した際、どうしても曲間や無音部分のヒスノイズが気になって仕方がなかった。しかし、本製品ではそれも解消されている。回路設計を含めて「現状できることはすべてやった」というだけはある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.