HDDハンディカムの新製品「HDR-SR1」は、以前紹介した「HDR-UX1」と同じく、AVCHD規格に準拠したビデオカメラである。垂直解像度1080iでの映像記録が可能ながら、圧縮効率の高いMPEG-4 AVC/H.264でエンコードを行うため、単位時間あたりの記録容量が少なくてすむ。
ただ、少ないとはいえ、8センチDVDを採用した「HDR-UX1」では、通常のディスク(DVD-R/-RW/+RW、容量1.4GB)に最大でも32分(LPモード/5Mbps記録時)、2層ディスク(DVD+R DL、容量2.6GB)を利用した場合でも60分、さらに最高品質(HQ+モード/12Mbps)ではその約半分しか撮影できない点に躊躇していた人もいるだろう。
この「HDR-SR1」では、DVDドライブの代わりに30Gバイト容量の1.8インチHDDを内蔵したことで、メディア交換の必要なしに最大で約11時間のハイビジョン録画が可能となった。また、容量の面で余裕がある点を生かし、「HDR-UX1」で最高品質だったHQ+(約12Mbps)の代わりに、XPモード(約15Mbps)が導入されている。このXPモードで撮影を行った場合でも、最大で約4時間の記録が可能だ。
また、ドライブ機構が違う分、サイズ/重量、そして、消費電力の面ではほんの少しながら、UX1と比較して優位になっているようだ。本体サイズは幅78×高さ84×奥行き165ミリと、幅2ミリ、高さ5ミリだけ小さい。また、撮影時重量は約720グラムで、20グラムほど軽量となる。消費電力の差に関しては、液晶モニター使用時で0.3ワット(SR1は4.9ワット、UX1は5.2ワット)とごくわずかなもので、撮影時間に換算するとほとんど変わらないか、せいぜい5分ほど延びる程度のようだ。
一方、従来のHDDハンディカム「DCR-SR100」と比較した場合は、やはり大きく感じられる(高さ・奥行きともに約15ミリ違う)。ただ、このSR100の場合は、UX1やSR1が採用したカメラコントロールリング(マニュアルフォーカスなどに利用)を搭載していないため、単純にハイビジョン化したから大きくなったというわけではないだろう。
最も気になるのは、標準画質のSR100でさえ、イメージセンサーが総画素数331万、16:9動画撮影時の有効画素数206万画素なのに、ハイビジョン対応のSR1では総画素数210万、16:9動画撮影時の有効画素数143万画素にとどまっている点かもしれない。これはSR100が原色フィルターCCDを搭載するのに対し、SR1ではUX1やHDVカメラ「HDR-HC3」と同じくクリアビッドCMOSセンサーを採用しているためだ(サイズはともに1/3型)。クリアビッドCMOSでは画素配列を45度傾けて、原理上の解像度を高めている。
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