これまで600万画素クラスのデジタル一眼レフ機を発売してきたペンタックスが、初めて投入する1020万画素の多機能モデルが「K10D」である。今年7月に発売した「K100D」に続くKシリーズの第2弾であり、主に写真愛好家層をターゲットにしている。発売は11月30日の予定で、店頭予想価格はボディのみが12万円前後の見込みだ。
そのK10Dの企画を担当したペンタックス イメージングシステム事業本部 マーケティング統括部 製品企画室の畳家久志氏に開発の狙いをうかがった。
――7月に発売したK100Dでは、どんな反響や成果がありましたか?
畳家氏: 我々が想定していた比ではないほど多くのご注文をいただき、その状態が現在まで続いています。国内市場はほぼ行き渡りましたが、これまでは当社の一眼レフ機のマーケットがあまり大きくなかったヨーロッパ市場は、予想を超える反響のため、まだ一部ではデリバリーが十分でない地域もあります。部品関係の調達を1、2カ月前倒しにして、何とか追い付きつつある状況です。
K100Dは、コスト努力を図り、計画の台数をきっちり売る前提でした。と同時に、今年の新機種なのに従来と同じ610万画素というスペックがどれほど受け入れられるのか、非常に難しい読みでした。フタを開けてみれば、製品の全般的なレベルアップやトータルとしての完成度などが高い評価を受け、それが我々の予想以上だったのです。
――K100Dユーザーからの改善要望は?
畳家氏: カメラの性能に関しては、実はあまり改善要望はいただいていません。例えば「ちょっと重くなったね」という程度の声はありましたが、かといって軽くなければいけないという意味ではありません。「*ist D」シリーズから続く600万画素クラスの集大成的な内容を認めていただけたと感じます。
また、ターゲットユーザーを明確にして、それをメッセージとして伝えていたため、上級のユーザーから機能や使い勝手に不満を訴える声も特にありませんでした。強いて挙げれば、オプションのバッテリーグリップなどシステムとしての拡張性を求める声はありました。
――今回のK10Dの想定するターゲットは?
畳家氏: K10Dは、コンセプトが非常に明確なカメラです。これまでの当社のデジタル一眼レフ機を振り返ると、初代機「*ist D」はやや異なりますが、その次の「*ist DS」以降の流れは、比較的エントリー寄りのユーザーを想定した製品です。つまり、今までは当社には上位機が存在しなかったのです。そこで、今回は初めてラインアップを作ろう、徹底的に上位機を作ろうと考えました。
想定ユーザーとしては、40代から50代の年齢層をイメージしています。もともと写真をやっていて、カメラや写真を撮ることが大好きな人たちです。このユーザー層を設計者全員が頭に思い描きながら、開発に取り組んできました。
――プロユースも想定していますか?
畳家氏: あまり積極的にはプロユースは意識していません。プロカメラマンの方は自分の仕事であるジャンルやシーンに集中し、それに応じた機能や設定を求める傾向があります。しかしK10Dは、特定のシーンではなく、むしろ何でも撮るアドバンストアマチュアの方が使いやすいカメラを目指しています。
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