春や秋は花がきれいな季節。そこで花の写真をあれこれ撮りに行ってみた。
花の写真を撮るのが趣味の人じゃなくても、艶やかな花がそこかしこに見られると、ちょっと撮ってみようと思うのが人情というもの。あまり凝らずに軽く撮ってみるべし。
バラというと普通は5〜6月の初夏に咲くものだけど、バラ園では秋にもう一度開花させるのが普通のようで、秋にもいろんな品種を楽しめるのである。
というわけで最初は華やかなバラから。
おおざっぱにいって、花を撮るときはマクロモードで近寄って花自体を撮るか、背景も考えて花のある写真を撮るか。どちらからアプローチするかは撮る人の「まなざし」次第。
まずは花をマクロモードで大きく撮ってみよう。
バラにしろ何にしろ、まず「どちらの方向から撮るか」を考える。花びらの開き方を見て、どの角度から撮るといいか(もちろん感じ方は人それぞれだが)、どの方向から撮ると光がきれいにみえるかを考えよう。
むやみに近づいて撮るとこんなことになる。花の下半分に影が入っているが、実はこれは自分の影。光の方から無造作に近づくと、特に秋は日差しが低いので、こんな風に自分の影が入る。
ちょっと角度を変えてやるだけで
影は映り込まないし、光が横から入る分、陰影もつく。
でも背景が無粋。いかにもバラ園で撮りましたというのがバレバレ。
そういうときは一歩離れて少し望遠にして撮るのがいい。望遠の方が背景の写る範囲は狭くなるし、背景のボケも大きくなる。普通のコンパクトデジカメでもマクロで望遠で近寄れば背景は大きくボケてくれるのだ。
こんな感じである。ただし、望遠側でどこまで近寄れるかはカメラしだい。これは望遠側でもマクロ撮影が効くデジカメで撮ったものだ。
続いて、次の3枚を見て欲しい。
同じバラを同じ位置で撮ったもの。露出を少しずつ変えて(つまり露出補正をしながら)撮影した。花びらの色に注目。
本来の色は3枚目だ(−0.7の補正をしてある)。+0.5の補正をかけた1枚目は花びらの色が濃いオレンジではなく、黄色になっちゃってる。表現できる輝度の範囲が限られてるので、ある程度以上明るくなると色がどんどん薄くなり、最後には真っ白になるのだが、この場合は日差しの当たっている部分が明るすぎて色のバランスが崩れてしまってるのだ。結構ありがち。
そういうときはマイナスの補正をして、色がきれいに出るようちょっと暗めにしてやるといい。
同じような例をもうひとつ。
補正なしでもピンクのバラということは分かるが、マイナスの補正をしてやると、より色が濃く出てる。
これはメインの被写体が背景より明るい場合に起きやすい。マイナスの補正をしてやることで、背景がちょっと沈み、バラの花はより鮮やかになるわけである。
花単体を浮かび上がらせたいときは暗い背景を選ぶといいが、そのときは露出に注意、ということだ。
同じような例をあと2つ。これはちょっと遠くのバラにカマキリがとまってたので面白がって望遠で撮ったもの。
これでもまだ補正が足りなかったくらい。
どちらも背景が深い色の森だったため、露出がそちらに引っ張られてしまったのだ。背景が暗いときはマイナスの補正をかけたい。これでもかけ足りなかったくらい。
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