一般的に、電動シェーバーにおける採用刃の違いは、
長所 | 短所 | |
---|---|---|
回転式シェーバー | 回転運動のためなめらかに動作し、動作音も静か。 内刃にスクイ角があり、鋭くカットできる。 |
外刃が比較的厚めであり、深剃りに不利な傾向 |
往復式シェーバー | 肌への設置面積が広く、早剃りに有利。 外刃を薄くできるため、深剃りしやすい |
往復運動のため、振動・騒音が大きい |
となっている。
HQ9100シリーズを含むフィリップスの回転3枚刃採用モデル(HQ8100/HQ7200/HQ7100シリーズ)は、各ヘッドが顔の起伏に合わせて3次元的に動く構造を大きな特徴としている。肌へ広くあたる イコール 効率がいいということにつながる。
さらに2枚構造の独自内刃「スーパーリフト&カット」で深剃りも実現し、回転式の短所をほぼ打ち消した。数千円台から販売される回転1枚刃式のモデルとは、ここが大きく異なるポイントだ。
同社によると「国内で販売されるハイエンドシェーバーの多くが往復式です。一方で安価傾向で販売される回転1枚刃式があることで、回転式は“安っぽい”と思われがちでした。この概念を崩したいと思っています」(フィリップス エレクトロニクス ジャパン 家電事業部カスタマーマーケティング マネージャー 辻賢一氏)とのことで、回転式のメリットを最大限に活用し、かつデメリットを打ち消している。
円形ヘッドの外刃は、くし状のスリットと小さい円、2種類の穴が開いた構造となっている。スリットで長めのヒゲを、小円の穴で短いヒゲやクセヒゲなどとらえる仕組みになっている。
「“音”による錯覚もありがちです」(辻氏)。カン高い駆動音は“よく剃れる”という印象にも繋がりがちだが、実はそうではない。
電動シェーバーは、ブィィィンという音とともに刃が駆動し、肌に当てるとジャリジャリジャリと音を立ててヒゲを剃る。往復式のシェーバーは、この高速に回転するモーター音が“電動シェーバーっぽい”と思わせるアイデンティティの1つにもなっている。
一方のフィリップス製シェーバーは回転式。一般的に回転運動は往復運動と比べると振動が少ない。また、刃の回転数もそれほど高くはなく、その分非常に静かである。
肌に当ててみてもやはり回転式のHQ9190CCは静かだ。その音は刃の鋭さも相まって濁点がないシャリシャリシャリと聞こえる。つまり、いかに効率よく外刃と内刃でヒゲをとらえられるか、が“よく剃れる”条件であり、カン高い駆動音はそれほど関係ないことが分かる。
手持ちの往復式シェーバーを駆動させ、外刃にボールペンなどを軽く押し当ててみてほしい。このとき、駆動音以外の音──駆動中の内刃と外刃がこすれて発生する音──が発生すると思う。この状態は「剃り済みにも関わらず“剃っているような音が聞こえる”→そのため、まだヒゲが残っているのかと錯覚してしまうことに繋がる」(辻氏)ようだ。結果、機種によってはさらに強く肌に押し当てて肌を傷めることにもなりかねない。
今まで使用していた往復式のシェーバーとその感触を比べると、その差はかなり大きく感じられる。HQ9190CCは外刃の設置面積が広く振動も少ない分、より柔らかく、肌触りは大変優しい。
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