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JBLらしさを感じさせるNCヘッドフォン――「JBL Reference 510」レビュー(1/2 ページ)

» 2006年12月18日 11時29分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 JBLといえば1946年の創業以来、数々の名品を発表しておりファンも多い老舗のスピーカーメーカー。9月には価格は1本315万円からという、創業60周年記念スピーカー「Project EVEREST DD66000」を発表するなど(関連記事)、積極的な活動を続けている。

 そのJBLから、ヘッドフォン「JBL Reference」シリーズがリリースされた(関連記事)。構造としては類似点も多いスピーカーとヘッドフォンだが、意外なことに同社によるヘッドフォンの製品化は初めて。

 今回はシリーズ中、個人的には最も興味深いプロダクトである、ノイズキャンセリング(以下 NC)ヘッドフォン「JBL Reference 510」を取りあげる。年末に向けて、各社からNCヘッドフォンが発売されているが、その中で本製品はどのような位置を占めるのか、探ってみたい。

photo JBL Reference 510

群を抜くコンパクトなハウジング

 JBL Reference 510もNCの機構としては同種他社製品と同じく、逆位相の音を人工的に発生させることでノイズを低減するアクティブノイズキャンセリングを採用する。ヘッドフォンとしては耳をすっぽりと覆う密閉型ではなく、耳の上に載せるオンイヤータイプとなっている。

 外観でまず目を引くのはコンパクトなハウジング。40ミリのドライバーを搭載するがNCの回路はハウジングに内蔵されておらず、別筐体となる構造が採用されており、ハウジングは非常にコンパクトだ。実測してみたところ、約50ミリ(直径)×約26ミリ(高さ)。重量も73グラム(本体のみ/ケーブル除く)と軽量だ。

photophoto

 ハウジングのコンパクトさに比べると、電源ユニット(単四形乾電池を利用する)を搭載しているとはいえ、NCユニットはやや大きめの印象をぬぐえない。実測値では約83(高さ)×36(幅)×16(厚さ)ミリ(クリップ部除く、幅は最大値)とノイズキャンセルウォークマン(NW-S7xx)や旧型iPod shuffleよりも大きい。裏面にはポケットやベルトループに取り付けるためのクリップが用意されているが、手にすると大柄に感じる。

photophoto ハウジングとは別筐体のNCユニット。電源は単四形乾電池×1。用意されている操作スイッチはNCのオン/オフのみとシンプル

 ハウジングとNCユニットの間は1本のケーブルで直接つながれており、収納時や利用シーンにあわせて分離させることはできない。また、入力プラグのケーブルも取り外せず、NCユニットとハウジングの間から分岐するかたちでレイアウトされている。取り回しや収納性を考えると疑問が残るケーブルレイアウトであり、改善を求めたい部分だ。

photophoto かなり独特のケーブルレイアウト。ヘッドフォン本体とNCユニットがケーブルの両端に配置されている(左)、入力プラグのケーブルはここからビーッと裂けるようになっている(右)
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