今年のInternational CESでも、次世代DVDの覇権争いは大いに盛り上がった。その競争は安価な再生機が登場するなど、新たなステージに入った感があるが、ここであらためて両陣営を代表するメーカー・ソニーと東芝のキーマンに、それぞれの主張を聞いてみた。
――昨年、ビジネスを開始したBDですが、今年はソフトを充実させる年でしょう。BDAでの発表は圧巻でしたが、現状を整理してコメントしてください。
Victor松田氏: 昨年末の段階で、発売済みおよび発売日確定のタイトルが115本。さらに今年に入って急増しており、1月9日の段階で170本です。通常、ハリウッドメジャーは翌月分までしか発売日を公表しません。今回はCESということもあり、一部の映画スタジオがもう少し先の予定も発表していますが、それが全てではありません。それでもこれだけ急増しているところにBDの勢いを感じられるのではないでしょうか。
――BDAからはソニーピクチャーだけで年内80〜100本を出すとのアナウンスがありましたが。
Victor松田氏: すでに100本という数字が既成事実化しており、100タイトルと言い切っていただいてもかまいません。昨年は30本でしたから、その3倍以上の数を発売すると言うことです。
――実際のBDソフトの売れ行きはどうなのでしょう?
Victor松田氏: CESで聞いた最新の情報ですが、装着率が大変良いとの評価を映画スタジオからもらっています。各スタジオは(売上本数の推測ができるため)実数を言いませんが、彼ら自身が満足しており、非常にハッピーな雰囲気でBD関連のミーティングをこなすことができました。
――ディレクタークラスの出席が予定されていたBDAの記者会見は、当日、全員がビデオ販売会社社長クラスに変更されました。スタジオ側のやる気が高まっているということでしょうか?
Victor松田氏: 彼らはPS3が発売されて以来、毎週・毎日のように出荷数をチェックしてきました。しかし本当の実数というのは、簡単に集計できません。PS3の昨年中の出荷数が100万台というのは、実はBDAの記者会見当日に出たものです。各社とも予感はあったようですが、それが実際の数字となったことで、大変に盛り上がりました。BDA記者会見前には、もうどこのスタジオも我々が促すまでもなく、ビジネスの立ち上げにゴーサインを出していました。机の上に“BDソフトの本格量産ゴー”のボタンがあったら、みんなで思い切り叩きまくる。そんな雰囲気です。ここまでの熱気、空気感は今までになかったものです。
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