レビュー
ラジオサーバー「VJ-10」は本当に「サーバー」か(1/3 ページ)
オリンパスイメージングの“ラジオサーバー”「VJ-10」(以下VJ-10)は一言で言えばラジカセのカセット部分がHDDになった製品だ。つまり、スピーカーを内蔵し、本体だけでラジオを聴き、ラジオの録音/再生が可能だ。
外部インタフェースとしてUSBを搭載しており、PCやICレコーダーと接続して相互にファイルのコピーと移動を行うこともできるが、今回は本体のみで使用する際の操作感、そしてPCなど他の機器との連携を中心にレビューをお届けする。
本体は高級感があるものの……
VJ-10は軽くアーチを描いたベースにタワーが垂直に刺さっているようなフォルム。ベースにはボタン類と外部インタフェースがあり、タワーには3.9型のSTNモノクロ液晶ディスプレイを挟んで左右にスピーカが配置されている。ディスプレイがかなり大きい印象で、予備知識なしにVJ-10を見た人はこれがラジオだとはわからないだろう。金属製の筺体も高級感があり、ホテル客室のベッドサイドに置いてあっても違和感のないスタイリッシュなデザインに仕上がっている。
しかし、実際の動作には本体のほかにいくつかの付属品を設置する必要があることに注意したい。ひとつは専用ACアダプター。VJ-10はラジカセなどでよく見られる2ウェイ電源(乾電池/AC)駆動ではなく、常にACアダプタを必要とする。HDDを内蔵しているため、そう簡単に電池駆動ができるとは思えないのでそれ自体はよいのだが、640グラムの本体に対して490グラムのACアダプタは最近の機器としてはずいぶんと巨大な印象だ。
とはいえ、据え置き型という利用形態を考えるとACアダプタはそれほど問題ではない。深刻なのはアンテナだ。付属のAM用ループアンテナは本体に比べてあまりにも無骨なデザインで、しかもアンテナを接続しなければAMは一切受信できない(FMはTVでも利用されているFタイプコネクタにロッドアンテナを接続する。これはそれなりにスマートだ)。
本体自体は片手で持ち運べるサイズだが、それに付随するパーツは持ち運びに適しているとは言い難い。FMだけを聴くならばループアンテナを接続しなくても問題はないが、時報による自動時刻合わせ機能が動作しなくなる(AMのNHK第一放送の時報を利用するため)。
予算が許せば、オプションのループアンテナ「AN1」を購入するのも手だ。AN1はケーブル長が5メートルあるので本体から離れたところに設置することができる。感度がよくなる上、AN1自身もアンテナ線の見えない、よりすっきりしたデザインだ。
苦労のうかがえる操作ボタン
幅広い利用者を想定しているVJ-10だが、フラッシュメモリやHDDを内蔵した各種プレイヤーやDVDレコーダー同様、インタフェースのデザインには苦心の跡がうかがえる。
ラジカセはカセットテープというシーケンシャルなメディアを使用していたため、(今となっては)使い勝手に不自由な点はあったものの、自分がなにをしているのか、ということが直感的に分かりやすいという利点もあった。それに対しVJ-10ではシーケンシャルからランダムという(特に高齢者には)大きなパラダイムシフト、そしてそれによって得られる新しい使用感をどう受け入れさせるか、という問題があるからだ。
VJ-10の操作部は電源ボタンを除き3つにグルーピングされている。便宜上、左からファンクショングループ、ナビゲーショングループ、メニューグループと呼ぶことにする。また、以下でもボタンに説明上の名称を付けているが、取扱説明書ではそれらはアイコンで表記されており、正式な名称ではないことを留意いただきたい。
ファンクショングループにはVJ-10のソースを切り替えるラジオボタン、ファイルボタンと予約設定を行う予約ボタンの3つがある。それぞれのボタンにはLEDが内蔵されており、現在のモードが何なのか分かるようになっている。予約ボタンは予約設定中の場合にも点灯する。
ベース部中央に位置するナビゲーショングループは音量、再生、停止、早戻し、早送り、インデックス、A-Bリピートといった、再生時の操作ボタンがある。音量を除く各ボタンはラジオのプリセット局呼び出し(6局分)も兼ねている。
メニューグループは多機能な現在の機器らしい、メニューの選択を行うボタンのグループで、メニュー、戻る(終了)、カーソル移動、OKがある。また、それに加えて録音ボタンもこのメニューグループに用意されている。録音ボタンは、機能的な位置づけからすればナビゲーショングループに属するもののようにも思えるが、独立して配置することでより分かりやすいインタフェースになっている。
つまり、カセットとは異なり録音する際には、早送りも早戻しも不要で、単純に「録音ボタン」を押せばよい。ナビゲーショングループのボタンはあくまで「再生」のためのインタフェースであり、録音では使わないボタンだ、ということを表すかのようなレイアウトだ。
だが、唯一の例外が停止ボタンだ。録音中には録音ボタン横のLEDが点灯しているが、再度録音ボタンを押すとLEDが点滅して一時停止になるだけで、録音終了にはならない。終了させるのにちょっと考え込んでしまった。ナビゲーショングループの停止ボタンを押せば停止するのだが、逆に「ナビゲーショングループ」は再生のためのもの、という思い込みのせいで混乱してしまったようだ。
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