タッチパネル液晶の搭載でおなじみのペンタックス「オプティオ Tシリーズ」の最新モデル「オプティオ T30」が登場した。ペンタックスがタッチパネル液晶をどのように進化させたのか、また、肝心のカメラとしての性能/機能はどれほどか、早速チェックしてみよう。
オプティオ Tシリーズはタッチパネル液晶を搭載しながらも、普通のコンパクトデジタルカメラのようなサイズを実現しており、T30でもその傾向は変わらない。前モデルのT20に比べて、外観自体は大きな変更が施されたわけではないが、微妙にいろいろと変更が加えられており、よりスタイリッシュな印象になった。
本体サイズは、T20が95(幅)×58.5(高)×19.5(厚さ)ミリ、155グラム(撮影時)だったのに比べて93.5(幅)×57.0(高)×19(厚さ)ミリ、135グラム(同)になっており、微妙ながらも小型化・軽量化が図られている。
一般的なコンパクトデジカメとしては大きくも小さくもない、といった印象で、タッチパネル液晶を搭載したからといって特別な感じがしないのはいい。
外観の特徴はなんといっても背面のシンプルさ。基本的な操作をタッチパネルで行うため、ボタンは再生ボタンとMENUボタンの2つしかない。これは以前から継続した特徴だが、普通のコンパクトデジカメだと、液晶モニタが大型化するとどうしても本体サイズが大きくなるか、ボタンを小さくしなければならないため、そのあたりに苦心の跡が見られるものだが、T30の場合はボタンが2つしかないので、そのあたりの苦労がなく、背面の大部分を液晶モニターが占めても窮屈さがない。
とはいえ、さすがにボタンをゼロにすることができないのは致し方のないことだろう。T30の再生ボタンとMENUボタンは必要最小限といった感じだ。これで特に使い勝手が悪くないのは、タッチパネルを有効活用しているからだ。ただ、タッチパネルゆえの問題があるのも確かだ。このあたりは後述する。
外観の特徴としてはそのほか、本体の正面から見て右側にレンズが配置され、ほぼ中央にフラッシュ、左側に外観のアクセントと滑り止めのためのアクセサリが配置されているのは従来通り。本体上部には電源ボタンとズームレバー一体型のシャッターボタンがあるのも今まで通りだ。
レンズはこれまで通り光学3倍smc PENTAXズームレンズで、焦点距離は35ミリ判換算で37.5〜112.5ミリ。F値はF2.7〜F5.2。両面非球面レンズを2枚使用するなど、スペックはT20と変更はない。コスト的に難しいのかもしれないが、もうちょっと広角側が欲しいのと、テレ端の開放F値が暗めなのが気になるところ。とはいえ、このクラスのコンパクトデジカメでは一般的な数値だ。
撮像素子はT20と同じ1/2.5型CCDだが、有効画素数が700万画素から710万画素に微増している。実際の写真としての違いはないレベルではある。
ISO感度はオート(ISO 64〜400)/ISO60/100/200/400/800/1600/3200。ホワイトバランスはオート/太陽光/日陰/白熱灯/蛍光灯/マニュアルとなっており、AFは9点マルチ/スポット/自動追尾の3種類。
基本的な撮影機能はおおむねT20同等だが、新たにISO 3200までの高感度撮影に対応した。ISO感度オートだとISO 400までしか増感しない(初期設定の場合)が、新機能のブレ軽減機能「Digital SR(Shake Reduction)」モードを選択すると、被写体の明るさに応じてISO 3200まで自動で増感する。これによって手ブレ・被写体ブレを防ぐ。
新機能としては、さらに「顔認識AF&AE」を搭載。この機能自体はもはや各社製品に搭載されており目新しいものではないが、T30もこれをきちんとサポートした。同社の顔認識技術はソフトウェアで実装されているが、認識精度やスピードは他社製品と大きな差は感じさせない。AFだけでなくAEも顔に合わせるので、逆光で顔が露出アンダーになるような失敗を防ぐことができる。
ただし、通常の撮影モードでは顔認識AF&AEは利用できず、シーンモードで「ポートレート」を選択すると利用できるようになる。それ以外の場合は9点AF、スポット、自動追尾の中からAFモードを選択する形だ。
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