デジタルコンシューマ機器やケータイ電話の出荷量の伸びとともに、それらを紛失した際のダメージは大きくなる。紹介するブーメランイット・ジャパンの「マイブーメラン」も、所有物に貼り付けるシールと顧客データベース、インターネットを連携活用した紛失物回収代行サービスだ。既に米国では120万人を超える顧客にサービスを提供している。
筆者が2年ほど前、初めて契約したインターネットをインフラに活用した同種の「紛失物回収代行サービス」は「STUFFBAK」だった。固有のIDナンバーとURL、電話番号が記載された専用ラベルを自分の持ち物にはり、IDナンバーと持ち主である自分をWebポータル上でひも付けする。
紛失物を発見した第三者がちょっと気の利いた人なら、ラベル上に記述されているURLや電話番号に紛失物の発見とその特徴を知らせてくれる。持ち主は、自分の個人情報を外部に公開することなく、間接的に紛失物を取り戻せる確立が高くなるというサービスだ。
我々日本人は自分の所有物に名前を書く――古くは雨傘やステッキに名前を彫ったり、テプラシールを貼り付けたり――といった習慣がある。もう少し重要なモノになると、名前だけではなく住所や電話番号を書くこともあるだろう。これは、拾得物として第三者に警察などに届けられた場合に、マッチングする項目として活用されるだけではなく、直接、拾得者から連絡を受けることも可能になる。
古くから海外製のシステムノートや手帳などでは、表紙をめくった最初のページに、あらかじめ紛失物として拾得した第三者へのメッセージを記入するスペース「In Case of loss」が用意されているモノも多い。モールスキン手帳のように、届けてくれた場合の「報奨金額」を記入するようになっているモノも珍しくはない。
しかし、詳細な情報記述は、「個人情報」の記述にあたり、貴方の手帳を拾得した第三者は、好む好まざるに関わらず、貴方の「個人情報」を入手することになってしまう。マイブーメランを利用することで、個人情報を必要以上に拡散することなく、紛失物を取り戻せる可能性が高くなる。
昨今はあまりにも個人主義が徹底しているからか、善意の第三者と言えども、自分に関係ない人との面会や交渉を避けたい、煩わしいと考える人が増加しているのも事実だろう。マイブーメランは、そういう人たちにとっても貴重なサービスを提供してくれる。
「STUFFBAK」が、紛失物の通報拾得者に報奨金(金額は契約者が任意に決定)を支給していたのとは異なり、マイブーメランは、紛失物を見つけてくれた第三者に、同社の「紛失物回収代行サービス」を1年間無償提供(ラベル6枚)と「オリジナルグッズ」を提供する。
紛失物回収の宅配便の手配などは行うが、差し回しの宅急便による回収費用(実費)は紛失物を受け取る会員(契約者)当人が支払う。以上から理解出来るように、マイブーメランは、Webサービスを活用した紛失物の登録情報と発見者の拾得物に関する通報データのマッチングサービスだ。
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