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新デザインとナチュラルなNC――パナソニック「SV-SD850N」レビュー(2/3 ページ)

» 2007年05月09日 08時30分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 SV-SD800Nは電源に着脱可能なニッケル水素充電池を利用していたが、本製品では内蔵型のリチウムイオン充電池に改められた。電池交換が気軽にできなくなったのは残念だが、新たに電池寿命を延ばす「エコ充電モード」が搭載され、通常充電モードの約2倍、約1000回の充電を可能にした。駆動時間はNCオフ時で約80時間。オン時で約60時間だが、エコ充電モードの利用時には1割ほど持続時間が短くなる。

 本体を見渡した際に唯一残念なのが、モノクロの有機ELディスプレイ。輝度が高く認識性も高いが、ディスプレイサイズそのものがあまり大きくないうえ、解像度も低いので一画面から得られる情報はあまり多くない。アルバムアートなどの表示も不可能で、サイズ的にライバルになるであろうiPod nanoやウォークマンA800シリーズに比べるとさみしい。音楽再生に直接は影響しない部分ではあるが、画面から得られる情報量が多い方が操作性は向上するし、なによりカラーの方が所有する満足感が段違いだ。ぜひとも次モデルでは改善してほしい。

photophotophoto 十分な見やすさは確保されているが、モノクロの有機ELディスプレイ。解像度の低さだけでも早めに改善してほしいところだ

 再生可能な音楽ファイルの形式はSD-Audioのみ(コーデックはAAC/MP3/WMA)。USBマスストレージクラスに対応しており、PCと接続すればセットしたSDメモリーカードをUSBメモリとしても利用可能だが、MP3やWMAのファイルをそのまま転送しても再生できず、楽曲の管理/転送にはこれまで通り「SD-Jukebox」を利用する。

 添付されているソフトのバージョンは「SD-JukeBox Ver 6.7 LE」。SV-SD800Nに添付されていたVer 6.0と基本的には変わらず、従来通りの「通常モード」と大型アイコンを使用した「カンタンモード」を選んで起動できるほか、収録されている曲を“印象”で選曲する「ミュージックソムリエ」や、SDメモリーカードへの転送ルールを作成する「リメイクSD pro」などの機能を備えている。

photophotophoto SD-JukeBox Ver 6.7 LEの「通常モード」(左)と「カンタンモード」(中)。収録されている曲を“印象”で選曲する「ミュージックソムリエ」(右)

 楽曲はPCからインポートするほか、ミニコンポ“D-Dock”「SC-PM770SD」や「SC-PM550SD」などを利用すればPCレスで本製品を利用できる。SC-PM770SDとSC-PM550SDはCDからSDメモリーカードへのワンボタン録音が可能となっており、CD→SDは「世界最速」(同社)という最大8倍速。両製品ともHDDは搭載していないが、その分だけシンプルに、あたかもMDのようにSDメモリーカードを扱える。

 SV-SD850Nを本体上部のポートにセットすることで充電が行えるほか、SV-SD850Nで再生していた楽曲をセットしたミニコンポ側からレジューム再生できる。ただし、直接CDからポートにセットしたSV-SD850Nに録音をすることはできず、録音したい場合は一度SDメモリーカードを取り出し、ミニコンポのカードスロットへ差し込んでやる必要がある。

 D-Dockにはイーサネット端子も用意されており、CDDBを利用した曲名取得も行えるだけにこの点は残念。ただ、SDメモリーカードの低価格化は驚くべきところまで進んでおり、1Gバイトのカードが2000円台で購入できることも珍しくない。MDの感覚でSDメモリーカードを使うならばD-Dock側で録音するのがメインとなるはずで、プレーヤーにセットした状態で録音できないのはさほど不便ではないのかもしれない。

photophotophoto ミニコンポ“D-Dock”「SC-PM770SD」。SC-PM550SDとの違いは5連装CDチェンジャーとMDドライブ(左、中)、SV-SD850Nは天面のポートにセットする(右)
photophotophoto SV-SD850Nからのレジューム再生が可能だが、コンポ本体のディスプレイに楽曲名などの情報は表示されない(左)、SDカードスロットにセットしたSDメモリーカードから再生する場合には表示される(中、右)、

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