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パイオニア、携帯で渋滞を予測する新「サイバーナビ」

» 2007年05月09日 14時51分 公開
[ITmedia]

 パイオニアは5月9日、カーナビゲーションシステム「カロッツェリア サイバーナビ」の新製品を5月下旬より順次販売開始すると発表した。7インチワイドモニターを備えたインダッシュタイプの地デジ対応モデル「AVIC-VH099MDG」からモニターレスの1DINモデル「AVIC-H099」まで8機種が用意される。

製品名 タイプ モニター 価格
AVIC-VH099MDG 1D+1Dインダッシュ地デジモデル、CD/DVD/MD 7インチワイドVGA 40万9500円
AVIC-VH099G 1D+1Dインダッシュ地デジモデル、CD/DVD 7インチワイドVGA 38万8500円
AVIC-ZH099G 2Dメインユニット地デジモデル、CD/DVD 7インチワイドVGA 34万6500円
AVIC-VH099MD 1D+1Dインダッシュ、CD/DVD/MD 7インチワイドVGA 33万6000円
AVIC-VH099 1D+1Dインダッシュ、CD/DVD 7インチワイドVGA 31万5000円
AVIC-ZH099 2Dメインユニット、CD/DVD 7インチワイドVGA 27万3000円
AVIC-XH099 オンダッシュTV付き1Dソースユニット、CD/DVD 7インチワイドVGA 28万3500円
AVIC-H099 1Dソースユニット、CD/DVD ―― 21万円
photophotophoto 「AVIC-VH099MDG」(左)、「AVIC-XH099」(中)、「AVIC-ZH099G」(右)

 新製品は携帯電話を利用し、利用者同士がリアルタイムに情報交換を行うことでルート案内の精度を高める「リアルタイムプローブ」機能を搭載した。扱われる情報は渋滞情報のみだが、VICSのエリア外についても情報を得られるほか、過去の情報履歴と組み合わせて情報を生成するため、より精度の高い予測となっているのが特徴だ。

 リアルタイムプローブではまず、利用者の走行履歴が同社サーバに送信される。サーバは収集された情報に、これまでに蓄積された情報を組み合わせて渋滞情報を生成、利用者へ送信する。渋滞に関する情報は同社サーバから10分間隔(ルート設定時。未設定時は20分間隔、手動設定も可能)で利用者へ自動的にダウンロードされる。

 利用可能な携帯電話については同社製品ページで随時告知される予定となっており、リアルタイムプローブの利用料金は無料。ただし、携帯電話のパケット通信料は別途必要となり、1回の情報取得に際してのパケット通信料は約12円(1パケット0.02円時)。

photophotophoto 「リアルタイムプローブ」の概要(左)、実際に利用すると、VICSで渋滞情報を取得できている場所は実線で、リアルタイムプローブで渋滞情報を取得している場所は点線で表示される(中、右)

 2006年モデルから継続して実装されている蓄積型プローブを利用してのルート案内についてもさらに精度が高められている。渋滞のもとになる全国1100カ所の踏切データのほか、駐車場入り口データ(オートパーキングメモリーデータ)も整備/追加が行われた。また、無料ブログサービス「スマートループ ドットログ」に掲載された地点や店舗情報などをPC経由で転送できる機能も用意された。

 地デジ対応モデル(AVIC-VH099MDG/VH099G/ZH099G)は4チューナー×4アンテナ構成による「4チューナーキャリア合成方式」を同社製品としては初めて搭載、受信可能エリアを約1.5倍に拡大した。また、基地局エリアから外れても自動的に隣接する局から該当するチャンネルを選択し、とぎれることなく放送を受信できる「オート中継局サーチ」機能も備えた。

photophoto 地デジ対応モデルは自動受信機能(オート中継局サーチ)やワンセグ放送時の中間画像生成機能なども備える

 デジタル放送特有のノイズや音切れといったエラーを補正する処理回路「新デジタル リバイズ エンジン」の搭載により、電波の弱いエリアでも鮮明な画像が得られるほか、ワンセグ放送受信時には中間画像生成を行うことでより滑らかな映像を楽しめるようになった。

 そのほかにもナビとしての基本機能であるルート検索/周辺情報表示機能も強化され、候補ルートがどれくらいの速度で走れるのかを色分けして表示する「予想速度道塗り表示」や目標までの所要時間を検索時から表示する「時間考慮周辺検索」が用意されたほか、「駐車場満空情報」については、「タイムズ」に加えて「三井のリパーク」の情報を検索できるようになった。

 「HDDや地デジチューナーを搭載したモデルを第2世代というならば、スマートループに対応した新製品は第3世代」(同社 常務取締役モーバイルエンタテインメントビジネスグループ本部長 波江野章氏)

 市販カーナビの市場は新車販売台の減少という厳しい状況下ながら、2006年度の市場規模は前年比105%となる142万台と増加しており、同社では引き続き状況は厳しいながらも、経済の回復もあり2007年度は145万台へと緩やかながら成長すると予測している。「新車販売台数の冷え込みや低価格化など、市販カーナビの状況が厳しいことは変わらないが、さらなる高付加価値化を進めていきたい」(波江野氏)

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