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W-SIMを活用した玄人志向の超小型HTTPサーバ「つないでイーサ」プロフェッサー JOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと!」(1/3 ページ)

» 2007年05月23日 08時00分 公開
[竹村譲,ITmedia]
photo 「つないでイーサ OSX-1」。ネーミングやファンシーなパッケージはごく一般的なコンシューマ商品の雰囲気だ

 「つないでイーサ OSX-1」(以下「つないでイーサ」)は、古くから、国際標準パソコンである「IBMPC/AT」の互換度検証ツールの開発供給元である「ウルトラエックス」のアジア・パシフィック部門が販売する、W-SIMを利用したイーサネットアダプタユニットだ。

 これはウィルコムから販売されているPHSモジュール「W-SIM」を挿入したOSX-1をパソコンのLANポートに付属のRJ45クロスケーブルで接続するだけで、専用PHSカードモデムなどのドライバソフトの導入や設定なしに、単なるLAN環境だけを設定したPC(のイーサネットポート)からインターネットへPHS網を経由してアクセスできる。

 毎日あちこちへ持ち歩くモバイルPCは、あらゆる場所でのインターネット接続を実現するため、数々のモデムアダプタの専用ドライバや、専用ダイアルアップ環境ソフト、事業所ごとに異なる複数のプリンタドライバなどで設定はグチャグチャの複雑怪奇状態だ。「つないでイーサ」は、PHS網へのアクセスをシンプルな普段使いのLAN設定のままで実現する。

 そして、「つないでイーサ」は、W-SIMの活用拡大を目的として100社を超える関連企業が集まり、2005年末に設立された業界非営利コンソーシアムである「WCM」(WILLCOM CORE MODULE FORUM)の主旨に添った製品のひとつでもある。

 そのルーツは、2006年秋に開催された「CEATEC JAPAN 2006」のWCMフォーラムのブースで展示されたW-SIMを使用した超小型HTTPサーバ「W-SIM・エンベデッドサーバー」にさかのぼる。 サイレントシステムが開発した当時のそれ名称の通りサーバであり、手元のPCの脇に置いて活用するモデムやルータのようなモノではなく、パソコンと距離をおいて、ネットワークコミュニケーションすることを目的に開発された機器なのだ。

photophotophoto 右下のW-SIMを除く3点と取扱説明書が付属する(左)、コンパクトなOSX-1。状況表示を行う3個のLEDと長押しなどで複数機能を実現するプッシュボタンが1個のみ(中)、背面にはイーサネットポートとACアダプタのコネクタ(右)

 ネット社会である現代において、オフィスやファクトリーそして自宅などを見ても「イーサネット」は、産業界のスタンダード・ネットワーク・インタフェースであることは疑う余地のない事実だ。「W-SIM・エンベデッドサーバー」はイーサネットを唯一のインタフェース回路として持つ、ある時はレガシーな、またある時は、最新のテクノロジーを実装した小型のイーサネット接続機器を、遠隔からパソコンやケータイで操作、その結果を検証、確認、新たな動作の起動などを実現することを目的として開発された製品だ。

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